スズキビリーバーズ「悪霊～下女の恋」
＠下北沢 本多劇場(2001/6/22-7/3 16ステージ)
＠福岡7/9,10 ＠大分7/11 ＠大阪 7/13-15
全指定 前売り4700円 当日5000円
作・演出：松尾スズキ[大人計画] 舞台監督：舛田勝敏 照明：吉倉栄一
音響：藤田赤目 音楽：金子いづみ 舞台美術：星健典 衣裳：田中亜紀
演出部：佐藤昭子、山地健仁 演出助手：黒川竹春 大道具：C－COM
宣伝美術：吉澤正美 衣裳助手：篠原眞理子、伊澤友恵
照明オペレーター：大屋恵一、鈴村浩美（スペースラボ）
音響オペレーター：佐野香代子（㈱アンテナ）
制作：大矢亜由美 製作：㈲森崎事務所
松尾スズキインタビュー ＞ http://www.pia.co.jp/hot_play/suzuki/
出演：
初演 今回
ファーザーズＰ 松崎事務所
1997/8/19-28 2001/6/22-7/3
15ステージ 16ステージ
THEATER/TOPS 本多劇場
指定3500円 4700円
タケヒコ ：松尾スズキ 宮藤官九郎
ハチマン ：池田成志 大浦龍宇一
ナミエ ：池津祥子 小島聖
タケヒコの母：広岡由里子 ←
キメ/ホキ（下女）：広岡由里子 ←
2001/6/23(土)曇 7:05-9:15PM(2'10) 中段より 客席超満員（410人)
客層：20-30歳代中心。若い女性過半数。おじさんも多め。
客入れ：当日券不明、座布団席なし。折り込みパンフ。キャスト、スタッフの簡略
美術予定だった奥村泰彦が降板とか、残念。物販。戯曲本とか、グループ魂のＣＤ
とか、いろいろ。
初演は傑作・ファンキーで岸田賞を受賞後の第一作。一部で「井上の歌」盛り上が
り（覚えたの、歌詞カードほしいの）したのも記憶。
舞台。初演舞台(tops）をワイド拡張。お屋敷の勝手口に面した裏庭。塀に囲われ
、彼方に青空、近所学校のコーラスが漏れ聞こえ。上手に縁側付き離れ部屋、縁の
下あり。中央にテーブルと椅子、後方に裏木戸前に干されたシーツ。下手角に
青銅製の巨大尖塔と頂上に風見鶏。下手壁に勝手口、横に鉢植えいくつか。
お話。タケヒコは逃れられないマザコン地獄中。生まれつき、辛いけど気持ち
いいな。母は愛の限り、傲慢夫への憎しみの限り、溺愛。タケヒコに嫁、でかしゃっ
たと仲良し。お笑いコンビなタケヒコ＋ハチマン、よろしくかしましコンビ。平和。
ところが、ハチマン、嫁のナミエの歓心買い。昔から、タケヒコのものはとって
しまうねん。というから始末が悪い。そのころ、タケヒコが恐れているものあり。
幼なじみのいじめられっこ同級生・井上。知らず、支配されてしまうタケヒコ。
それとともに母の愛憎、ナミエとハチマンの悋気な愛はエスカレーション、
どうにもとまらないのだった。
泥沼万歳地獄絵図をくっきりと描いて、初演をしのぐ好舞台。どうしようもない
生き地獄を、濃いキャラで炙り出した初演。とりわけ、タケヒコ役・松尾スズキ
のじたばたした怪演がたまんなく可笑しくも泪誘われたねこ。再演は演技と演出
をじっくり練り込み。モザイク・サイコな因縁物語、絡まる人の有様をわかり
やすくして◎。舞台（役者若返り？）に合わせて、アクロバチックとか走り回り
とか、動きでもみせ。美女・小島聖の扉突き破り、ど頭かち割り演技とか、スラ
ップスティックに強烈。「井上の歌」の歌詞も、そおかと面白さ再発見。ともろもろ
とても楽しめたねこ。
役者。マザコン息子役・宮藤官九郎。荒くれつ、見切れてしまう理性の悲しさを
滲ませ、好演。間男役・大浦龍宇一。誠実な人柄と相反する下半身の性を正直
演技でして○。マザコン男の妻役・小島聖。エロとバカ双方を熱演。お腹一杯
ねこ。母親と下女役・広岡由里子。唯一無二。
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