スズキビリーバーズ「マシーン日記」
＠下北沢・本多劇場(2001/7/6-17 16ステージ)
＠大阪 7/27-29 ＠福岡 7/31-8/2
全指定 前売り4700円 当日5000円
作・演出：松尾スズキ[大人計画] 舞台監督：青木義博 照明：佐藤啓
音響：藤田赤目 舞台美術：島次郎 衣裳：戸田京子 宣伝美術：吉澤正美
演出助手：大堀光威、佐藤涼子 制作：長坂まき子
初演 再演 今回
トム・プロジェクト
1996/9/3-11 1997/3/28,29 2001/7/6-17
11ステージ 2ステージ 16ステージ
ザ・スズナリ リリオホール 本多劇場
指定3700円 3000円 4700円 美術： 加藤ちか ← 島次郎
衣裳： 横田さやか ← 戸田京子 出演：
サチコ 加藤直美 丸山昌子 宝生舞
ミチオ 有薗芳記 ← 阿部サダヲ
アキトシ 加地竜也 久留蝶丸 松尾スズキ
ケイコ 片桐はいり ← ←
2001/7/7(土)晴れ 2:35-4:25PM(1'50) 中段より 客席超満員(420人)
客層：20歳代中心に幅広く。若さでチケット取ったのかな？な客層。
客入れ：当日券不明。補助席横一列と通路補助席。座布団席もいっぱい。
折り込みパンフ。キャストとスタッフのデータのみ。物販。パンフなし。
戯曲本、著作本いろいろ販売。
松尾スズキ中期？の傑作。新キャスト・かわい目率高めにして、４年ぶり三演。
舞台。幕は初演のシャッター式でなく通常。マシンな絵柄はペン画風マンガ調に
変わり。あけて、プレハブ小屋（前面壁を両開きして屋内提示）。兄弟会社第２
作業所の看板。屋内。壁はサイケにペインティングされ。上手にトイレ、中央
サッシ窓２。下手に入口。どうにもごちゃごちゃ、引きこもりな人の部屋？。
壁際、上の棚にマンガ雑誌山積み。それを足がかりに中央のＡＶ機器ラックに
登山可能。手前下手に作業机。
お話。跡継ぎ町工場を営む兄弟。猛り狂って、女工を犯した弟の責任肩代わり、
兄は女工となぜか結婚。でもって弟を作業所に制裁監禁、すでに洒落にならない
ほどの期間経過。そんなある日、女工が中学生時代、いじめから救った女教師が
やってくる。立場逆転、いまでは社長夫人な女工のもと働く元女教師。口では
隷属唱えど、そうは見えずの高圧態度なれど。さらに、兄は躁病エスカレーション
、妻な女工に無理難題、責め苦に情熱。たまらない女工は弟に救いをもとめ。
るが、弟は元女教師のモーション、奴隷にしてよ攻撃に曝されてて…。
より、からり軽やかに過剰。ギャグめいた会話の笑いで彩られる生き地獄。これ
でもかとキャラ芝居しつつ、独りよがりにならないアンサンブルの妙。昨今の
松尾スズキ演劇の完成度のほどに、ふむむねこ。
初演のマグマな激情、不条理行動の凄みは笑いの中に昇華、脂身飛ばしたよにさらり
味（従来比）。私たちの現実事件が彷彿と追いついて、衝撃度減ったこともあり？。
それはさておき、雑味押さえられ、真骨頂の逆説浮上。滑稽で悲しい、悲惨で美しい
な。隷属恋人マシンとなるケイコ。割り切れないリアルの中で潔く、美しいその
純愛。固守する信念のほどにあり得ないだろ〜、な悲しさ裏打ち。ご主人・ミチオが
ため、邪魔者をまた皆殺しにするケイコ。これも夢のよう、逆説のロマンティズム。
片桐はいり◎。唯一無二、ますます堂に入った演技で圧倒、魅せる再演なり。
役者。松尾スズキ。ほどほどに、しなくていいです、なナイスな怪演変わらず。
変な動きがみられて嬉しいねこ。阿部サダヲ。もっと狂うかと思ってたけど、
元々そんな役柄じゃなかったのね。暴れ八着な中も隷属の甘えん坊。理性あること
の悲しさ、どうしようもなさを醸していい感じ。室生舞。期待、意外な収穫。
一途に狂う周囲の中、浮遊する不安感◎。不器用な演技がはまって、目が離せな
かったねこ。
［月間一覧］
|