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＠大阪 ウイング・フィールド(2001/11/24-25 4ステージ)
全自由 前売り2000円 当日2300円
作・演出：キタモトマサヤ［遊劇体］、サカイヒロト[WI'RE］
舞台監督：谷本誠［スタッフ空海］ 照明：村上薫 音響：金谷都
映像：本郷崇士、２０８＋（カオルトミウチ＋ハルキチハル）
舞台美術：ステファニー[劇団劇光族］ 衣装：ステファニー＋粂田恵美
小道具：安岡恵子 宣伝美術：ａＲｉ イラスト：中大路克也
制作：岡本司[遊劇体]、伊藤恭子[スクエア] 企画・制作：安岡恵子[遊劇体]
WI'RE ＨＰ：http://www5a.biglobe.ne.jp/~NO-ROOM/index.htm
２０８＋ ＨＰ：http://www5c.biglobe.ne.jp/~plus-208/
出演：
西田政彦[遊気舎]：コモリ
北村守[スクエア]：ヒナタ
田中彼方 ：ニンギウ
江口恵美[桃園会]：ヤヨ
酒井アンナ[WI'RE］：テンチョ、テンシュ
中川善江 [WI'RE］：店員、ＤＤ
井口千景 [WI'RE］：店員、ＤＤ
加納亮子[桃園会] ：クラブに集うガーリッシュな子達
川井直美[桃園会]
大熊ねこ[遊劇体]
小寺有紀[遊劇体]
上遠裕香[タイタスプロジェクト]
児山 愛[タイタスプロジェクト]
坂本正美[遊劇体] ：クラブに集う不器用な男達
今井康平[Real]
美輪圭介[タイタスプロジェクト]
森田秀和｢劇団片手間]
尾崎左知[遊劇体]
内田裕子[タイタスプロジェクト]
2001/11/24(土)快晴 7:12-8:38PM(1'35) 桟敷より 客席超満員(110人)
客層：20才代女性過半数、バンド系装いの子も。中年男女、スーツ野郎少々。
客入れ：エレベータで上階、最整列し、靴脱いで入場。いつもながら、やや面倒な
劇場なり。誘導はその分きちんとあり。開演近くに当日券客ほか20,30名入れ、詰め
あり、桟敷増列ありで開演押し。荷物預かりは請う状態。薄座布団桟敷はお尻にくる
ものあるも、江口さんの床芝居を間近で観られる利点とかあり。
汗以外、血糊、小道具など飛来物はないので、最前方でも安心。
折り込みパンフ。B5 6ページ。作、演出、企画のあいさつ、役者紹介、予定掲載。
サカイ氏のすかした予定に笑い。次回公演予定なし。
物販。関連劇団。桃園会、のにさくはな台本。上海太郎ＣＤ（西田さん参加）。
ベルリオーズ「幻想交響曲」にインスパイアされたとかのオムニバス。鬼才な２人
アングラな遊劇体・キタモトマサヤ、アングラでもデジタルしてるWIREサカイヒロト
がそれぞれ作品提供。映像には、クールで有機的な映像の２０８＋。役者は遊気舎・
西田、スクエア・北村、桃園会・江口。と、できる個性派の競演となった今回。
舞台。舞台中央、市松模様の限られた床。下手奥、上方から三本の鎖が固定され。
隣りに股を広げたような鉄パイプが天井から。上手、上方からはしご(地下設定)
脇に鉄パイプが二本垂れ下がり。上手奥と両袖前方に水槽３。詰められたビニール
の中、モニタが映像投影、か蛍な明かりが明滅。ボンテージな装いの上半身マネキン
が奥の水槽下にあり。秘密の地下室、ＳＭプレイ ＯＫ雰囲気。
お話。気弱、強迫観念に囚われてるよな、男コモリ(西田）。牛装い模様のボンテージ
コスチューム・黒ガーターをベルト固定、女ヤヨ（江口）。女に首輪、ファースト
フード持ち込みで軟禁の様子。女は嫌がるでもなく、もの憂げ。交錯する男の記憶。
人身売買・風俗店。ドールな女の子達とはなんでもＯＫ、モラルはないけど、ルール
はあるのよ。女を奪った罪の意識に、店長の警告言葉はスタンガンよろしく、責めて
くる。誰も２人だけにはしてくれない…。女と交わっても、実感がしない。
そんな困ったチャンのコモリ。いっそ、殺して生きている実感をと、ヤヨの首を
絞める。そんなコモリにヤヨ、世界には２人だけがいないのよ、と。（第１章）
クラブ、パーティの夜。紫煙たなびく暗がりで、いまいち男達は女の子を探して
止まない。時折麻痺する動き、モノローグに、まあいろいろとしがらみうかがわせ。
浮かぶ過ぎた恋の苦みとか。（第２章）
コモリは気づくと走る車中。廻りは砂漠、ここはいったい？。牛コスチュームの
女達（ドナドナ）は異常なほど脳天気だし。でしゃばり男に聞くと、戦場行き。
彼女らは慰安婦？。ガス欠で停車。ＧＳもだめ、どうすんだよ。（第３章）
証言台にコモリ、質問攻め。背景のビデオは戦争ものばかり。十三階段にコモリ。
この手に残っているのはヤヨの温もりだけ…。（第４章）
クラブにいた男ども。あーだこーだの会話の言葉に、自粛のピー音。なんだあ。
人間の罪。ヤヨはリンゴを差し出して…。（第５章）
猥雑、アナーキーに表現の露出狂。無軌道に飛んだ中に哀傷浮かばせ、味わい。
作家の感触の違いくっきり。苛烈に進行し、体温高いキサモト作品。過激であっても
醒めて、クールなサカイ作品。非日常のシチュエーションにそれぞれに相性よく、
悪酔い時にみたような悪夢を描いて共通項。
顔とか感情濃縮のビデオ（でも、独立映像？？第３章のはちょっと薄すぎて△）
エッジなムーディな音楽（選曲◎）、例えばブルー一色やスポット多用の劇的照明
や、時に火花、ら演出も極限状況を盛り立て。役者演技は感触違いはあれ、
ハイテンションにエロく、下世話に胡散臭く進行。
そんな狂騒の中、時折孤独の心象がスット浮かび、セツナク沁みるねこ。キタモト
さんの密室劇も見ごたえあれど、なんか窮屈感脱ぐえず。この組み合わせで、
野外は如何かと、思うねこ。
役者。江口さん。同月・弘前劇場でのキャラ（精神科医）から一変の淫婦。
ああ、真っ赤な唇に誘惑の瞳の妖しさ。どっちもキュートさ欠かさず、魅力的。
西田さん。ストイックな演技が合い。酒井さんらWIRE役者。体当たり演技でがんばり
第１章「夢ー情熱 インキュバス Incubus」
作・演出：サカイヒロト 映像：本郷崇士
第２章「舞踏会 PARTY Dolls A GO-GO！」
作・演出：キタモトマサヤ
第３章「野の風景 Ecstatic Peace」
作・演出：キタモトマサヤ 映像：２０８＋
第４章「断頭台への行進 ドナドナ Donna-Donna」
作・演出：サカイヒロト 映像：本郷崇士 音楽：タナベリョウヤ
第５章「ワルプルギスの夜の夢 Erotic Dogmatism and an Apple」
作・演出：キタモトマサヤ
「幻想交響曲」あらすじ
失恋男、阿片で自殺未遂。悪夢の中で女を殺し、処刑されて地獄行き。
地獄では女は淫婦と成り果てている。遠く聞こえるのは葬送の鐘、
それは自分の弔いのためのもの。