阿佐ヶ谷スパイダース「十字架」
＠新大久保 東京グローブ座(2002/3/13-17 7ステージ)
http://www.tglobe.net/
＠広島市南区民文化センター3/20-21 ＠大阪 近鉄小劇場3/23-24
作・演出：長塚圭史 照明：佐藤啓 音響：加藤温 舞台監督：福澤諭志＋至福団
舞台美術：加藤ちか 衣装：木村猛志[A.C.T] 演出助手：山田美紀[至福団]
演出部：芳賀晶、小林光葉、下村はるか
宣伝美術：吉永龍樹、森朝子 制作：伊藤達哉、岡麻生子
出演：
千葉雅子 [猫のホテル]：加藤礼子（薬局勤務の主婦、なにかと祈る）
中山祐一朗 ：加藤諭吉（その後婿）
真木よう子 （公式ＨＰ） ：加藤真純（礼子の娘）
市川しんぺー[猫のホテル] ：久世沼あきら（地元ヤ◎ザ）
村岡希美 [ナイロン100℃] ：久世沼妹子（その妹。宇野を思っている）
政岡泰志 [動物電気／HIGHLEG
JESUS]：小松日出男（あきらの舎弟）
三上市朗 [劇団M.O.P.]：宇野一高（屈折した売人）
富岡晃一郎 ：野々村マコヤ（その弟分）
長塚圭史 [阿佐ヶ谷スパイダース] ：犬井淳 （あきらの舎弟）
伊達暁 [阿佐ヶ谷スパイダース] ：島村俊介（チンピラ）
加藤啓 [拙者ムニエル] ：パク・チョン（売人）
村上航 [猫のホテル] ：石川典彦 （薬局店主）
2002/3/17（日)晴れ 1:07-3:36PM(2'30) 1F前方より 客席ほぼ満員（700人）
客層：20歳代女性最多・7割に幅広く。おじさん時々、おばさん極少。
客入れ：全指定席、当日券不明（３Ｆは空きあり）。折り込みパンフ。B5 4ページ。
役者(配役なし）、スタッフ、予定掲載。
次回公演。8月＠東京FMホール。物販。パンフ(B5 24ページ 1000円)。コンドルズ
・近藤良平との対談収録、ほか演劇人の寄稿いくつか。写真付き配役掲載。
過去公演ビデオほか。
人気尻上がりの阿スパ、クドイ役者陣を集めての中規模劇場公演。
舞台。全体廃墟な趣。上手半分、梁がむき出しになった土壁。転じて、貧乏茶の間。
下手、石造りの六角堂、上に物干し。洗濯物はまた、高く天井付近で四方向に吊られ
、なけなしの生活感醸し。舞台後方、鉄骨とかむき出し、朽ちかけた中東みたい石壁。
お話。母子（千葉、真木）家庭に優しさ余って駄目男（中山）が父代わりと居候。
生活のためと、母が万引きの品を捌くのにも、家族にも、娘はもういらいら姫。
家庭で表せない愛情加減を、妻を遠くから覗くことで注ぐ、駄目男。もうなんか自殺
しようとするところにじゃま。居合わせた、屈折した女がたまらなく好きなやばい
仕事・男(三上）は母子家庭・母に一目惚れ。
やばい仕事男の心が読めず、自分につれないことに寂しさ感じてる女（村岡）に
やくざ兄（市川）あり。いくら妹の男といっても、売薬を縄張りでやられちゃと、
にわか仕立てのヒットマン（長塚）にやばい仕事男の殺人指令。駄目な自分の埋め
合わせにやばい仕事男からドラッグ購入・常習の駄目男。といつも一緒の「妄想
カブトムシ」はしだい巨大化して自律行動。いらいら姫は、boy mets girlに出会っ
たちんぴら（伊達）と出奔。母子家庭・母を恋い慕うもう一人の雇い主男（村上）は
思いかなわず、過激行動信仰に走り。寂しい女は政略結婚、夫（正岡）の変態的嫉妬
に辟易、寂しさ募らせ。やばい仕事男はファンな母子家庭・母の家で家事手伝い。
と、状況は歪みを増し、母子の愛憎ドラマ、母の救われない過去露呈を経て、迎える
カタルシス。
マジ顔で調子こいたほら話、快調。前半、ギャグめいた会話が愉快ねこ。ちょっと
大人計画彷彿。しらっと顔で微妙に狂ってる奇天烈キャラ、生き地獄に終わってる
状況。堅気よりやくざものが常識的、裏切り前提の顛末など、逆説な日常が今な感じ
で、ふふんねこ。公然前提の嘘っぽさ、胡散臭さが魅力。後半、お話が男女親子関係に
深くすると、べた、失速着地。シニカルなラストに微笑みも、ちょっと物足りない
ねこ。
役者。それぞれ劇団のまんま個性を引き出し。いいとこどりで起用に絡ませてて、
へーと思うねこ。千葉さん。おばちゃんをやらせて上手すぎ。んじゃないのよぉお
とか、な・ん・て・ねっ！、なんて口調が素敵。三上さん。無表情に非情、温情の
つかみ所のなさ。どこか狂ったダンディズムを醸して◎。中山さん。狂って自然体。
板についてる加減◎。長塚さん。無自覚に面白い様はナイロン・大倉君を彷彿。
ラストの馬鹿悲しさが○。真木さん。かわいくてやや危険。他役者、観たいように
期待通りにしてくれて○。
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