＠大阪梅田 HEP HALL(2006/1/12-15 4ステージ)
http://www.hephall.com/
データは「背中から四十分」レポート参照
出演：下記
2006/1/14(土)曇 7:03-8:49PM(1'42) 最前列 客席9割（180人）
客層：20歳代中心に幅広く。女性7割。畑澤さんらなべげん一行の姿も。
客入れ：客入れ音楽はシャンソン。ほか、背中から四十分と同じ。
カーテンコール1分1回。
畑澤聖悟の「弘前劇場」在籍時作(2001)。関西の谷省吾ーいるかHotelにより「背中
から四十分」と同時上演。二脚の優美な曲線を描く椅子と、ヌード女性が海を望み
背を向けるチラシが格好良し。
猛烈な修業時代の自伝が出版されている、知られた格闘家。も、今は入院の身。壮健
ではあるが、現在の記憶が一日だけしかできない脳障害ゆえ。つまり、毎日同じ日を
繰り返す「日々」。留まった一日は家族が総出で見舞い、しかも長女が婚約者を
連れてくる日なのだ。現れない言い訳をし続けたきたホーム関係者。しかし、今日は
特別、実際に彼らが訪ねてくる一年に一度の日なのだ。
ままならぬ世の憂い、奮い立つバカ真っ直ぐな爽やかさ。丁寧な演出、役者個々と
アンサンブルの良さがひかる好舞台。背中…同様に関西アレンジ。舞台を神戸、会話
を関西弁中心に、京都弁（長女連れ合い服部青年）、江戸弁（元職人小田老人）が
入り交じり。京都の特異さを話題にローカル笑い添え。江戸弁が聞き取れない
京都人（弘前劇場初演では津軽弁が聞き取れない）場面はやや無理があるかも。
初演の弘前劇場台本をもとに、関西弁が新たな魅力を生んでいて、新鮮印象ねこ。
畑澤作品らしい特異な設定。すれ違い勘違いのドタバタに笑う内に、入院中の父親を
巡る深刻な内情が見えてくる展開。悪戯に重くはせず、笑いの内に家族のあり方や
老人介護ら身近な問題に繋げ、浮かばせてく。案配の巧さはさすがと改めて。
交わす目線、表情は細やかに演出され、言葉はなくともそうと感じられるほど。
アンサンブルのよさは10回記念の甲斐あり印象。さらに役者好演。入院中の格闘家役
隈本さん。空手バカで頑固、正直でちょっと子供っぽい、困ったとこもあるけど
優しい父親。大らかでいて細心な演技が好印象ねこ。長女連れ合い服部役加藤さん。
優柔不断そうで不器用も、意志高く、真情はバカ真っ直ぐの好漢。勝つ決意で義父
格闘家と向き合い、どん詰まりの状況を打破する場面しっかり。お伽噺なラストを
信じられるものとし、爽やかな泪を誘って○。
初演 今回 弘前劇場 いるかHotel 2001/5-6 2006/1 青森弘前東京 大阪 演出：畑澤聖悟 谷 省吾 1時間20分 1時間40分 出演： 加賀谷敏（格闘家。入院中） ：福士賢治 隈本晃俊[未来探偵社] 服部徹（高校教師。美佳と空手が縁）：後藤伸也 加藤巨樹[劇団ひまわり/Axle] 服部美佳 （加賀谷の長女） ：藤本一喜 岸原香恵 加賀谷要一（加賀谷の長男） ：佐藤誠 山根基嗣 加賀谷孝行（加賀谷の次男） ：山田竜大 奥田貴政 加賀谷亮子（加賀谷の次女） ：杉原文子 牧野亜希子 船橋ゆみ（加賀谷主治医。脳神経科）：佐藤てるみ 松本由利 穐本祥子（加賀谷の担当ヘルパー） ：森内美由紀 大西千保[劇団ひまわり] 原子平内（レントゲン技師。未婚） ：永井浩仁 横尾学 会津悠人（看護士。ホーム担当） ：佐藤潤平 金親正晃 浅野鮎 （亮子の友人。大学院生） ：濱野有希 北次加奈子 砂小瀬明（ホームの入所者。脳炎） ：畑澤聖悟 谷省吾 小田桐孝（ホームの入所者。脳炎） ：長谷川等 榊原大介
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