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＠大阪堂島 ABCホール（2012/7/20-23 5ステージ）
http://asahi.co.jp/abchall/
全指定 前売3300円 当日3500円
作：横山拓也［売込隊ビーム、iaku］ 演出：上田一軒［スクエア］
舞台監督：武吉浩二（CQ) 照明：池田哲朗（PAC West) 音響：三宅住絵
舞台美術：柴田隆弘 衣裳：田中秀彦（iroNic ediHt DESGIN ORCHESTRA）
写真・デザイン：堀川高志（kutowans studio）
制作：猪瀬典子（PAC West) プロデューサー：山村啓介（朝日放送）
主催：朝日放送、ABC Hall
出演：
緒方晋［The Stone Age］：中谷元(林業を営む。伝統的な葬儀役を仕切る)
魔瑠［遊気舎］ ：中谷史子（その母）
橋爪未萠里［劇団赤鬼］ ：中谷修子（長女。写真家を志す)
野村脩貴（子役）［ルート］：中谷一平（長男 ゲームばかりしている)
金替康博［MONO］ ：杉山馨(中谷家縁者。現代的な葬儀社を開業する)
松永渚 ：杉山遼(長女)
うえだひろし［リリパットアーミーⅡ］：坂本健介（高校教師）
七味まゆ味［柿喰う客］
：藤城琴依（修子の家庭教師）
2012/7/21(土)晴 6:03-7:46PM(1'42)中段中央 客席4割?(100人？)
客層：20-30歳代中心、女性7，8割。
客入れ：全指定、後方に空席。ロビーでPRビデオ上映。折り込みチラシそれなり。
パンフ オールカラー 4ページ。写真とコメント掲載。物販なし。
カーテンコール2回1分。鳴り止まず2回目となり。
高い評価を得た「エダニク」の作演出コンビ再び。東西のできる役者陣にて。
舞台。シンプルで美しく象徴的な装置。手前にお茶の間、後方2段高く、大きな
引き戸。この家の片隅にある「喪屋」と呼ばれる葬送の場を置き。２つの場所を
固定、日常と非日常を地つながりにして、物語背景をよく現し。
お話。過疎の村、とある女子高生が将来につながる栄誉を得たことから、
2つの家族・旧弊を守るものと新参ものの関係が歪み、変化していく。葬儀に
まつわる新旧軋轢、家族の囚われと離別、思春期の友情と恋など。取り巻く周囲の
刺激を受けつつの家族の葛藤を描いていく。
込み入った人間関係、心の機微を、軽妙さを失わないテンポよい会話で終始一環
描いた秀作。地方と家族、暮らす人間がとある事件から瀬戸際に立ち、それぞれの
ダークサイドが顕れ。ざわざわと胸騒ぎがする、その変化の感触が嫌らしく、楽しく
観るねこ。旧弊な戒めがとかれた「喪屋」の扉装置が醸す、忌むべきものの空気感も
相乗。背景設定、人間関係な会話、場な装置の劇的な重層がたまんないねこ。
ラスト、子供の成長が描かれるけど、これはかなり痛いものあり。ゲーム好きの
子供が無理矢理に家長として儀式を強要され（「目頭を押さえた」には遺体処置法の
直截な意味あり）いい子になる」は洗脳か、妄想かと首をひねるねこ。罪がなき罪を
もつ、事の発端の女子高生は将来に旅立ち、無自覚に裏切った友達との亀裂が残る
のは判るのだけど。うーん。
登場人物のキャラと役者個性は程良くブレンドされ、演出の細やかなさじ加減で
よく調整されて上々。ありげな閉息感に陥らないのは、誠実な門外漢である家庭教師
や、悟りの天然キャラお母さんのおかげもあり。そこら案配◎。
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