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 パルコ・プロデュース公演「トランス」

 @新大久保・東京グローブ座 (1998/4/16-27 15ステージ)
 全指定 前売当日共S(1階)5800 A(2階)5500 B(3階)4000
  作:鴻上尚史 演出:鈴木裕美
 出演:内野聖陽(参三)、奥山佳恵(礼子)、三宅弘城(雅人)

 1998/4/26(日)小雨 2:00-4:00pm 2F上手から 客席8割満員(600人)
 客層:20-30才代中心。女性過半数。客入れ:特記なし。上手側席だと手前が
 見切れ、「青空」が十分感じ取れないのが悲しかったりするねこ。

 '93,'96鴻上尚史自身の演出。今回、じてきんの鈴木裕美。「ごあいさつ」のない
 鴻上作品舞台はなんか違和感ねこ。
 舞台。上手下手に机、椅子やら家財道具の小山。役者が中央、カーペット部分に
 それらをセッティングして、芝居は進行。

 お話。高校時代の仲良し、ライター・雅人、精神科医・礼子、ゲイ・三参。偶然再
 会するも、雅人は天皇妄想を抱き、礼子のいる病院に入院。三参は献身的に看病。
 しだい妄想は、3人の内誰かのものやもしれぬようになり・・。アイデンティティ
 ー喪失の不安、傷ついた者達の慈しみの、それが時には傷を負わせる、思いが
 交錯する物語。

 トランスらしいトランス。ダンスなし、切な系の音楽を穏やかに添えての会話劇。
 明るく活き活きした登場人物像は、その内の苦しみを思うと切なさひとしお。ラスト
 のしみる藍な青空もあってしみじみねこ。出番にない役者は、袖で中央の芝居を
 ずっと見つめる。3人の離れ得ぬ結びつきと、セラピーを思わせる仕掛を巧みに
 表して○。

 役者。三宅さん。おかしみと親しみ、パニックりながらも内面見つめる時のあっさり
 感あり。面白い手応え。内野さん。類型な?と思えど、滲むよな色気あって○。
 奥山さん。素直なれど平板な演技。そこに礼子の心の壁が見えるよな印象をうける
 ねこ。すっとした声にはほよよ、台詞回しがもっとよければなあ。

 キャストほか
 '93/11/17-12/5 24ステージ  '96/1/26-2/26 33ステージ
 青山円形劇場          紀伊國屋ホール
 作・演出:鴻上尚史       作・演出:鴻上尚史
 参三:松重 豊          古田新太
 礼子:長野里美          つみきみほ
 雅人:小須田康人        手塚とおる

月間一覧