ポツドールVOL.6 セミドキュメント「身体検査〜恥ずかしいけど知ってほしい〜」
＠王子 王子小劇場(2001/2/16-21 9ステージ)
全自由 前売1,800円 当日2,200円
構成・演出：三浦大輔 舞台美術：田中敏恵 照明：伊藤孝 音響：大橋路代
映像：上田啓嗣 裏操作：海老原聡 小道具・衣装：大橋路代
宣伝美術：三浦大輔 舞台監督：松嵜耕治 制作：荻野智子 制作補佐：清水徹也
web管理：野平久志
出演：
小林康浩、野平久志、岡雄一郎、仁志園泰博、米村亮太郎、名執健太郎、
白石正信、清水徹也
齊藤舞[INSTANT wife]、安藤玉恵、荻野智子、村上寿子、溝口真希子
2001/2/16(金)晴 7:45-9:40PM(2'00) 最前列より 客席超満員(100人)
客層：男性過半数、20才代中心におじさんも結構。
客入れ：開演15分ほど前到着。満席（全椅子）でしばし待ち行列。荷物預かりは
きちんとあり。アンケートは下敷き付きで親切。追加最前列桟敷に誘導されて、
いつものようにかぶりつきねこ。折り込みパンフ。A4一枚の簡素版。物販なし。
なお、予告の終演後映画上映（別料金500円）なし。昼間の回のみ上映とのこと。
2/19,20 2：00，4:00の回（上映約1時間）とのこと(2/18)。
赤裸々なバックステージ模様を実録風に伴っての「セミドキュメント」手法第二弾
なにがあっても抜けないと役者に署名させた誓約書には、プライベートをさらけ
出す、恥まみれになる、と課題明示。危険な賭けに、ぴあ１Ｐ特集ＰＲ効果もあり
もう出歯亀状態のお客（憶測）で超満員。入れなかった人も結構いたとか。
導入。客入れ時。舞台は幕内で見えず。両袖のモニタに女子ロッカールームの
模様。キャミソールな下着姿で姦しく。男がカメラをもってごぞごぞ、お店
（キャバクラ）で入店希望の子の面接とをモニタに投影。２１才女子大生にインタ
ビュー風にかるーくトークして、下半身攻めにいたるＡＶ趣向。お店のシステム。
3200円、指名2000、バックは1000。「身体検査表」をお客さんに書いてもらって、
その人が気に入ったら承諾印をして別サービス(5000）身体検査。カーテン越しの
診察台でね（ここで幕が上がる）。
舞台。中央にコの字ソファ、９人がけとテーブル。下手にバーカウンター、ハート
に名前の指名ボトル。ガチャポンぽい卓上の、まねきねこ、上にモニタ（カラオケ
可、現実抜きキャバでするやつ小だろうけど）。その後ろが事務所。ソファの後ろに
熱帯魚水槽とスライムみたいのオブジェ。水槽の後ろ、壁には切り抜いたヌード
ピンナップがコラージュ。正面上にでっかく「身体検査」。そのまま上手で先ほど
モニタに写ってたロッカールーム。ソファの右手は売りの保健室。診察台、時間割、
「冬季身体検査期間2/16-21」、「プライベートのまま、私がお相手」、体重計、
視力検査表（上から、あ・そ・こ・ち・ん・こ）。日本地図にヌードピンナップ
（お店の子の出身地とか、じゃなさそうね）「本番行為の罰金１００万」。コンパクトに
イメクラ風情。２Ｆの窓もしつらえて、きちんと造り込み。こちゃこちゃと建て
込んだ感じが楽しいねこ。
面接継続中。ＳＥＸはしたことある？。女の子はけらけら笑いながら、ないです。
オナニーは？と畳みかけ。最後にもう１回してほしいことがあります。ボクにフェ
ラチオしてください。接客する上から、絶対しない子をお店に出すのは気が引ける
から。フェラは全バックですから、みんなあなたのものです。全員にしてもらって
いますから。カーテンを引いて、二人診察台へ。模様はモニタでハメ取り実況。
（もう一人の店員がきて、気がないそぶりでモニタに横目）。ちんこをさすって
もらい。優雅な手つきですね、ピアノ引いてるから？。くわえてもらい（頭でもの
ほんかは見えない。昔、威勢良くしてた公演を思い出したねこ）（カーテンから出際
、バイトの子に役得役得とボーイ）。ソファに戻って。店からお願いするのは
これきり。プライベートでせっしてもらいますから、源氏名はありません。あなたの
ような方は○なこといって、名前は？と聞き。荻野智子です。バイトの清水君を
紹介。カメラをもってロッカールームへ。幕。ＰＭ８：００と投影。
１部、キャバクラ。ミラーボール、ピンク照明、ユーロビート（だったっけ？）。
作業服の男達５人のそれぞれ隣で女の子達接客中。野平君の角刈りが凛々しい。
提案男・名執？君が提案。自己紹介しましょう。なんか狭くて出入りも大変。小林・
おっちゃん主任は名刺ありげにくばったり。頃合いにお着替えタイム。女の子達は
バイバイ。男子は学生服。女子の着替え模様はモニタで中継、という趣向。おおと
喜ぶ野郎ども。（舞ちゃんの）へそがみえて、やばいよとか。戻ってきて、ペア
カラオケ一人きり西沢君、携帯するやつ（だれだっけ）、とか個々人。店員のたる
そう目つきとか、細かい演技入り。提案男・ゲーム提案。無視され。女の子を巡り
駆け引きに野郎どもの目つき変わり始め。新入りの荻野は米村君（だっけ？）と
ちゃっかりカーテンの診察台へ、おいおいと小林と野平。気になって、カーテン
めくり嫌がらせ。舞ちゃんはどさくさに控え室に連れ込まれ、店員の蹴り？が
入って厳重注意。ソファのみなはディープに抱き合い、キス模様。仁志園君独り。
カーテンの後ろから笑い声。くすぐり合い？、半裸で正常位の姿勢だけど？。
野平、俺も承諾印もらってるんだから、早くしろとせっつき。じゃあ、一緒に
しようかと、四人、二組でカーテンの中へ。仁志園君独り。幕。
ビデオ。稽古場の修羅場模様。顔合わせで誓約書。逃げる女、本当にバカ。全裸
阿鼻叫喚。場内、酷すぎて思わず笑い。６５分完全実録ドキュメントとでて。
第二部。地獄の駄目だし。全裸の名執君？、なんだよこりゃ。誓約書を呼んで
ください。小林に読ませる。今の芝居で痛めつけられた人いますか？。いないなら
意味ない。ちゃんとやってもらうから。しきり直し！！。チラシを読ませる。
そんな偉そうな、名執君？にみな反撃。なんで全裸なんだよ？。なんか失ったのか、
おまえは？。これは裸になってもつまらないということを証明したかった、試金石
だ、なんだよそれは（とみなあきれ顔）。プライベートとは、暴露することには
リスクがあるでしょ。とりあえず恋愛関係から。三つありました（なんだそりゃ）
カーテンの中、ソファの三角関係。ここから、いきなりプライベート告白に突入。
とりあえず、箇条書き。初日の「軽い致命傷」模様。
・野平の荻野への思いについて。いまでもどうか。野平、告白を断固拒否して、
集中砲火を浴びる。おまえにはポツドールがすべてだろう、ぴあでいったことは
なんだ。人間関係が崩れる、やばいと野平、困り果てる。
・替わりになんかやることに。（全裸の）名執？君のことを好きか嫌いか、挙手。
岡は大嫌い、他はどうでもいい。岡、遅刻したこと、仕事しなくてもいいと
甘えていることを責め。反省、殴ってくれと名執？君。聞いていた野平、
なんじゃそりゃ、ふざけんなと切れる。こんなんで何が傷つくんだ。チャチャ
とやれ。好意をもつという仁志園の話。なんでも笑いにもっていくという仁志園
になぜか切れる名執？君。よくわからない殴り合い。
・岡が自ら崩してやる宣言。恋人がいながら、他の女性と親密となる。村上君と。
恋人に実況中継する、しなくてもいい話。第三者はいれてくれるなと野平、懇願。
岡、切れる。投げたものが女の子に当たったりする（が女性は怒らず、認容。
そういうルールなのか）
・野平、やることにする。既に岡の裏切りで盛り上がっていた周囲は逆切れ。荻野
も早くしろと怒り。きちんとやると、二人ロッカールーム。特別な感情はない
と荻野。うなだれたままの野平、置いてきぼりに荻野。動かないんだもの。
・岡の裏切り続行。村上にちんこ起った、そういうこと。激しくキスする二人、
村上は逃げる。やりすぎだと野平、二人の頭叩く。なんだよ、じゃまするなと
みなから集中砲火。荻野には、誓約書返して出ていけ、と詰め寄られる野平。
後悔するぞ、全力で止めるのが俺のプライベートだ！！と野平（なんだそりゃと
とっくみあい）。村上、ヒステリー起こして、野平を平手打ち。何もやって
ない、恥をかいただろう、なんだとととっくみあい。この企画はバイオレンス
じゃねえ（に客席爆笑）。
・と、マジで浮気してるやつが告白。おまえらこそこそと、舞台の上でやれよ。
野平がイニシアチブをとって、二人の話を聞き。軽蔑すると、後輩女優の怒り。
二人はカーテンの中へ。ばらしてごめんなと男、二人キスして、暗転。
心身共にバトルロイヤル、激烈な意欲◎。結局喧嘩なガチンコ模様は醜いが、その
エネルギーはすばらしい。表現にものすごい情熱もちつ、なるも現したくないこと
を強いられる逆説行為、はまさに演劇的。嫌よ嫌よも好きの内なり。脚本の歯止め
なく、七転八倒に傷つけ合いながらの展開は、痛々しくもなんとも危険でスリリング。
９ステージも続けるなんて、気力体力とも並の人間業ではなし。劇団存続、交友
関係の行く末が危ぶまれる自殺行為。既存演劇から離れて、劇的なるものへ
果敢に挑戦する試みに、花束をあげたいねこ。
フェイクとリアルあれこれ。確信犯に一部と二部を対比。二部の「リアル」が強烈
なほどに一部役者演技の「フェイク」ぶりが思われたり。「リアル」にしても仕掛
けられたものだけに日常のリアルとは異なるだろう、終わったら（三部？）どう
なっているんだろうと思われたり。と考えは巡るが、その辺の面白さが舞台その場
では解りがたいとこが△。ホントウの中のウソ、ウソの中のホントウな胡散臭い処
を絡まし、もっと「セミ」ドキュメントしてほしかったねこ。
役者。その場にあることへの真摯さ◎。とりわけ、男優。野平君の一徹さはよく
わからないけど、好感。齊藤さん、荻野さんの野郎どもへのつっこみぶり○。
他の子も、もっと鋭くあってほしかったねこ。 ［月間一覧］ |