ポツドールvol.8 「騎士（ないと）クラブ」
＠王子 王子小劇場 (2002/2/8-17 14ステージ)
全自由 前売2200円 当日2500円
vol.5 vol.8
ジェルスホール 王子小劇場
2000/7/13-16 2002/2/8-17
7ステージ 14ステージ
前売1500円 2200円
上演２時間 ２時間２４分
作・演出：三浦大輔 ←
照明 ：九頭竜ちあき 伊藤孝
音響 ：内山一貴 清水徹也
舞台美術：田中敏恵 ←
演出助手：安藤玉恵 ←
映像 ：上田啓嗣 上田大樹[INSTANT wife]
小道具 ：溝口美帆ほか 福本朝子
衣装 ：？
宣伝美術：三浦大輔 上田大樹、三浦大輔
舞台監督：松嵜耕治 筒井昭善
制作 ：萩野智子ほか ← 出演：／２部配役
ノムラ ：角 清人 山中隆次郎（工員、クラブ提唱者） ／ＡＶ監督
[スローライダー］
ビトウ ：小林康浩 ← （工員、主任、いつも裸） ／有名ＡＶ男優
カネコ ：糸田淳一 児玉貴志[THE SHAMPOOHAT]（工員）／一応映画俳優
トガシ ：野平久志 ← （工員、無口） ／脚本家
タケウチ：米村亮太郎 ← （工員、インテリ） ／学生エキストラ
トマツ ：西園泰博 仁志園泰博（工員、金髪、短気） ／小劇場演劇役者
アズマ ：岡雄一郎 白石正信 （工員、パーマ、新人） ／学生エキストラ
シバ ：高多康一郎[RONNIE ROCKET]←（工員、一人静か、やる時はやる）／プロデューサー
ユキコ ：齋藤舞[INSTANT wife] ← （盗撮相手） ／新人女優 2002/2/10(日)晴 2:31-4:55PM(2'24) 後方から 客席ほぼ満員（80人)
客層：20才代男子７割。なんとわなムサイ感じ。時々おじさん。
客入れ：劇場外に係員、中の係員が一人ずつ整列誘導して、親切至極（さらに念の
ため、壁に番号表示）。荷物預かりも万全。ビニール袋をぞれぞれ渡し、詰めてもら
い、入場時に預ける大人計画発端方式。全般、早稲田系らしい、抜かりのない客入れ
なり。桟敷(座布団二枚、前後にそれなり間隔おいて、千鳥配置）4列、椅子席2列
(サイドに数席）。舞台全体が上手よりなれど、あまり端席じゃないほうが○（装置内
ＴＶが上手のため。初演とは反対配置）客入れ時の制作注意にあるように、長丁場
（2時間30分近い）なので、事前トイレ要。折り込みパンフ。Ａ４ 1枚。挨拶、配役、
スタッフ掲載。次回公演。5月「騎士クラブ２」＠駅前劇場。3/10ＮＨＫ芸術劇場で
公演風景とインタビュー放映。
劇団の名を小劇場演劇好きに知らしめた（といっても動員小だけど）、作品再演。
舞台。乱雑で小汚いアパート部屋。ものすごく、細かくてリアル、偏執狂なほどに造り
込んで初演を凌駕。中央にない舞台配置の関係か、初演と左右入れ替え。上手に窓、
戸外に洗濯物、内にＴＶ、今時黒電話？、ＣＤとかいれたラック。壁にいたいけ顔の
アイドルポスター、観光写真、数字だけの貰い物カレンダー。天井近くにピンク女優
・葉月蛍(ぬるねる燗燗、百年の絶唱など)サイン色紙、巨大な腕時計型掛け、時計、
ダーツまと、ひょっと、おかめのお面。
一人住まいなのに、なぜか二段ベット（子供時代の流用？）。安いダッチワイフが
上段。後ろに引き戸押入。表に貼ってるのは地下鉄路線図、日活ロマンポルノポスター。
さすらいかもめ、金曜日の寝室、真夜中の妖精など。手前テーブル、周りはマンガ、
エロ週刊誌とか、散らばりまくり。下手中央よりに、曇った窓のユニットバス（本物まんま）
壁際に流し台、コンロ、冷蔵庫、と玄関。
お話。初演ほぼ同等の進行。前半、偶然から隣の女性を盗撮、友の会・騎士クラブを
結成するたわし職工達と、ばれて後、憧れが裏切られて（主にアパート主・主宰者）
逆上顛末。後半、それはＡＶの撮影でしたあ、とその後レイプシーンを女優が急に
拒絶、なんとかしたい顛末。とそれもフェイクなやらせと暴露。以上、後半部を
セミ・ドキュメントと称しての趣向。
初演との相違点。後半をよりハード。たとえば、監督がスカトロ（フェイク趣向）が
好きなこと、女優が嫌いなことをそれぞれ証明する場面の改訂追加。スタッフ通しで
生聖水（今回はウ○コは不発）を顔射させ、その頬を女優が殴らせる。たとえば、
最大限の力で濡れ場の替わりになるものを、女優に考えてしてもらう場面の改訂追加。
フェラ○オ＝スタッフの見本に止まらず、自身ちゃんとしてもらう。性的に興奮した
顔をつくる(オナニー）＝バイブレータ使用。、恥ずかしいことを精一杯考える
＝レイプされながらものまね（チ○ポをマイクに見立てて、あゆの真似して唄う）
、最後に「騎士クラブ最高！」と叫ぶとか。なんにせよ、「女優」に実際してもらうよう
、またギャグ色を強めて、改訂され。
ラストは大幅追加。初演は、やらせと監督がばらして後、女優のリストカットを発見、
監督撮影でおしまい。今回は、それもやらせとネタばらし（完成フィルムもみせ）、
しかし女優はバスルームに閉じこもりきりで嗚咽が漏れてくる。ほか、些末だけど、
駆け引きの中でのＡＶ出演を親に電話する、はコード電話→携帯になり時代反映
(未遂は一緒)。大丈夫じゃない場面はＣＧ合成するの、監督のそれでいいのか発言
追加とか。
最新作を見た目には、だいぶエンタメ。シリアス顔の泥沼万歳な展開にわかりやすい
フェイク散りばめ。ディレクターズカットよろしく、二部大改訂は前述の通り。
セミドキュメント・撮影場面はよりハード、容赦なくリアルに改訂。演技っぽくない役者
演技が一層こなれ、演出も細かくなり。追い詰められダメになる状況で、誠心誠意
作品に取り組もうとするジレンマが、ビンタの形に現れたのが初演より理解でき。
決して、暴力ではなく、むしろきつい現実を踏まえた温情であると。
ラスト。仕掛けもろともに突き放した・不明の面白さな初演から、解き明かせぬ人の
不条理まで見せつけて、味わいまし。これはこれで、ちょっと濡れた人情芝居みたいで
いい感じ。
もろもろ完成度の高さがフェイク＝芝居の嘘を一層うきだたせて相乗効果。この辺の
うまさ、巧みさはさすが、と再認識ねこ。もろもろに行き届いた作劇が、次回新作で
どう活かされるか、とても楽しみねこ。同時、裏切りへの期待もまし。劇中の小劇場
役者役のとまどいのように、唖然と取り残してくれるような。
役者。斉藤舞さん。また出演してくれて嬉しい。一部最後の嫌らしいタバコ演技とか
素敵。野平さん。不気味なムードメーカーで素敵。
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