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 KAKUTA Sound Play Series「朗読の夜」♯6「グラデーションの夜 黒の夜」

 @大崎 アトリエヘリコプター(2011/4/20-24 6ステージ)
 全席自由(整理番号付) 前売3300円 当日3500円  先行予約3000円
 サービスデー3000円 学生割引3000円 3プログラム通し券8500円
 やっぱり割引(リピータ割引) 3100円
 
 脚本・演出:桑原裕子 舞台監督:安田美知子 照明:西本彩(青年団
 音響:島貫聡  舞台美術:袴田長武(ハカマ団) 演出助手:田村友佳
 選曲:真生 衣裳:山崎留里子 宣伝写真:相川博昭  宣伝美術:川本裕之
 イメージイラスト:柊ゆたか  映像:メリケンサック
 制作:前川裕作 堀口剛  制作助手:たけいけいこ 当日運営:四柳ナンシー
 企画・製作:K.K.T
 出演:
 ・オリジナル「グラデーションの夜」

 実近順次 :クロセ(漫画家)
 植木祥平[渋谷ハチ公前]:男
 柴田さやか:売春婦
 原扶貴子 :七重(担当編集)

 第一話 桐野夏生「デッドガール」(新潮文庫刊「ジオラマ』所収)32分

 高山奈央子:語り
 ヨウラマキ:カズミ
 澁谷佳世 :女
 成清正紀 :男

 第二話 今邑彩「ささやく鏡」(集英社文庫刊「よもつひらさか』所収)35分

 実近順次 :語り
 原田麻由 :私
 若狭勝也 :相場
 磯西真喜[演劇集団円]:祖母

 第三話 阿刀田高「迷路」(新潮文庫刊「七つの怖い扉」所収)37分

 磯西真喜 :語り
 佐賀野雅和:昌司
 尾ア宇内[てがみ座]:徹ちゃん
 野澤爽子 :母ちゃん
 柴田さやか:京子

 2011/4/20(水)曇 7:06-8:51PM(1'44)前方中央 客席満員(70人)
 客層:20-30歳代中心、男女半々、スーツ客結構。
 客入れ:ロビーは、舞台に繋がる漫画家仕事場 設え。常設のソファと椅子あり。
 来場順に整理番号発行。開場時で20人ほど。ミニ椅子2列、ひな壇に椅子5列が千鳥
 配置。折り込みチラシそれなり。パンフ A4 3ページ。挨拶、配役、予定。次回公演。
 10/21-30 本公演@シアタートラム。北九州公演あり。物販。15周年パンフ 1200円。
 DVDほか。イメージ写真販売あり。本をもって朗読形式で諸注意。動くと揺れる客席
 なので、ライトを観て地震判断を願い。 カーテンコール1回。

 回を重ねて6回目の朗読劇企画、とか。趣の異なる3テーマでのアンソロジー公演。
 舞台。白黒モノトーン。中央に黒○ベット、両側に襖障子、下手は月見窓と穿たれ。
 背景壁に○型の穴大小。気配を感じせるノイズ映像を投影。手前主舞台の頭上に、
 繭玉なライト点々。

 構成・お話。「デッドガール」感じる異臭は自分から?、自己嫌悪と虚無感を抱えた
 OLは忘れるために夜は売春。嫌な男に当たったその夜、部屋に見知らぬ、しかし
 相通じる女がいることに気付く。「ささやく鏡」祖母に戒められながら、疑心暗鬼と
 果てしのない欲望に駆られ、未来を映す鏡を見てしまった女性の悲劇。
 「迷路」死体を飲み込み、いつしか消しさってしまう古井戸。脳が薄ぼんやりとした
 男は恐れ惑いながら、いつしか夢と片付けてしまう。しかし…。
 白石加代子 百物語へ書き下ろされた「迷路」以外は初見ねこ。前後とそれぞれの
 幕間に取り憑かれた漫画家の物語を挿入、その構造で一ひねり。人生は綴れ織りな
 模様もみせて、滋味も加味。

 ゾクゾクが続々と楽しい、ホラーな娯楽作。欠落、虚無感に穿たれた人が抱く恐れ
 が招く悲劇をベット、鏡、井戸らなろほど道具立てとも描く。デッドガールの絶望、
 ささやく鏡の欲望、と迷路の現実 のシニカルな顛末。大なり小なり共感できる自分
 自身の感覚がなにより怖く、幽霊、魔の物、幻覚には愛嬌さえ感じちゃうねこ。
 等身大のありさま得意の、これもKAKUTAらしい作品と思うねこ。

 怖がって(楽しんで)もらいますよと、あれこれ演出工夫。会話とモノローグな芝居に、
 ト書きの朗読をプラス。映像、音響、小道具と小芝居で、折折の事物と感情を
 蜷川幸雄と具現化。ややサービス過剰とも感じるけど、原作の魅力を濃縮する彩り
 工夫はさすがなり。

 参考 前後回作品
 群青の夜 4/13-17 6ステージ
 桐野夏生「ネオン」(文春文庫刊「錆びる心」所収)
 いしいしんじ「正直袋の神経衰弱」(新潮文庫刊「東京夜話」所収)
 田口ランディ「ピエロ男」(文春文庫刊「ドリームタイム」所収)
 川上弘美「夜のドライブ」(文春文庫刊「あなたと、どこかへ。」所収)

 桃色の夜 4/27-5/1 7ステージ
 田辺聖子 「いま何時?」(新潮文庫刊「三十すぎのぼたん雪」所収)
 角田光代 「わか葉の恋」(ハルキ文庫刊「オトナの片思い」所収)
 三浦しをん 「春太の毎日」(新潮文庫刊「きみはポラリス」所収)

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