ＭＯＮＯ 特別企画vol.2「チェーホフは笑いを教えてくれる」
（京都芸術センターセレクション）
＠京都四条烏丸 京都芸術センター・フリースペース（2003/4/25-27 4ステージ）
http://www.kac.or.jp/
全自由(整理番号付）前売り当日とも1500円
原作：アントンチェーホフ 作・演出：土田英生
舞台監督：西田聖［GEKKEN Staffroom] 照明：福山和歌子［GEKKEN
Staffroom]
音響：堂岡俊弘 舞台美術：？
宣伝美術：スイトウキヨユキ http://www.sobat-kun.net
制作：垣脇純子ほか 共催：京都芸術センター 助成：財団法人セゾン文化財団
企画製作：MONO
出演：
・「熊」
増田記子：高田 （未亡人）
水沼健 ：多田羅（高田亡父の友人、借金の取立に訪問）
土田英生：山口（リフォーム業者）
・「煙草の害について」
水沼健 ：後藤（講演者、恐妻家）
・「結婚申込」
金替康博：佐伯（退院したばかり。幼なじみの加奈子にプロポーズのつもり）
西野千雅子：加奈子（佐伯隣家の娘）
土田英生：啓三（加奈子の兄）
・「余儀なく悲劇役者」
西野千雅子：高美（義理堅い嫁ぎ先でプレゼント・ノイローゼ。自殺志願）
増田記子：祐子(高美の友人）
2003/4/26(土)曇 2:07-4:11PM(1'03) 前方より 客席満員（150人）
客層：20-30歳代中心に幅広く。女性7,8割。
客入れ：前売り全日完売。当日券客10名ほど。会場入口前(戸外)に、ぴあ、劇団先行
予約？、劇団予約の3列(15/20/40名)で整列。3名ずつ同時入場。当日券は結構待たさ
れた模様。ロビーで荷物預かりあり。受付に預けてとのことだが、場内で依頼可能。
もっと積極的に預かればいいのに。靴を脱いで入場。前から桟敷2列、雛壇ベンチ3列
、椅子席2列。舞台直近なので、どこに座ってもよさそう。雛壇は段差が少なく、
狭いので、体育座りに近い状態に。混雑につき、中央詰め一回あり。
折り込みパンフ。A4 1枚。挨拶、チェーホフ略歴、配役、スタッフ。次回公演。
8-9月「京都１１区」全国ツアー。
物販。戯曲、ビデオ。センター内にレトロな喫茶店、図書館、ギャラリーあり。
早めに来ても、有意義に過ごせ。
MONO 番外公演。NO.1は未見（なに？とよく聞かれたとパンフ挨拶にあり）
会場。大正モダンな、南欧風の小学校改装。こじんまりと愛らしい建物なり。
舞台。アンティークな椅子が一杯（20数脚）。床は□3尺ほどの赤黒市松模様。前床
に赤いバラの花束ひとつ。中程に小さな机、後方に帽子かけ、ライトスタンド、
チェスト、観葉植物。周りに種々様々な椅子。真正面壁にスクリーン。チェホフの
肖像や劇中の問いを投影。
構成。迷子の人たちのコントなやりとりを幕間に、極短編を上演。椅子だらけの部屋
に迷い込んだ一行は、なにやら探している途中らしい。とりあえず休憩、とそこに
チェーホフについて語れ（だっけ？とスライド）と問い。ロシア？〜ロシア人っぽい
名前の語尾、どこで区切るかとか、すっとこどっこいな言い合い。増田さんがなんか
仕切って納得したところで、また散会。増田さんが舞台に残り。
「熊」(25分)亡夫の借金取り立てにきた男。未亡人は快諾するが、即返金の無理を
いう男に呆れて、まとまる話もまとまらない。邪険にしていた妻だが、袖擦り合う
うちに心通い、男と恋に墜ち。そうなると、壁紙まで亡夫絵姿とリフォーム業者に
注文の決心もリセット。
・水沼は土田のことをどうも魔女と思いこんでるらしい。なんで？。
「煙草の害について」(10分)、という講演のはずが、中身は怖い妻と虐げられている
自分の愚痴ばかりで情けない。煙草の害より妻の怒りが怖いのでございます。
・土田、床のバラをみつける。土田、金替に金をしつこく無心する。
「結婚申込」(13分）胃腸を病み、長らく入院していた男は幼なじみと再会。その妹と
の結婚の意志を伝えると、応援すると好意ある答え。ところが、柿の木がどちらの家
のものかで大激論。譲らない二人の雰囲気は最悪。呼ばれた妹は幼なじみに恋心を
いだきつ、柿の木は別の話と嫌悪を隠さず、男を罵倒。幼なじみは怒って帰ってしま
い、妹は後悔。落ち着いたのか、戻ってきた幼なじみの男と妹はお話。青森に転勤に
なってもついていく、と妹は快諾。よりが戻ったかと思ったけど、こんどは飼い犬の
血統の話ですったもんだ。
「余儀なく悲劇役者」包丁を貸してと友人宅を訪ねてきた女。もう死ぬ、プレゼント
いや。話をきいてみれば、嫁ぎ先は義理堅い一族。誕生日や記念日にはお互いにプレ
ゼントをやりとりするが、これがとんでもない件数。お返しを考えると、眠れない。
友人の言葉で気を取り直すが、贈り物をくれるというのを聞いてパニック。いらない
、やっぱり包丁を貸して。
・一同はまた椅子だらけの部屋に戻ってきてしまう。どこにいくんだろう、モスクワ
へ。どっちへだ？、俺達はいけないなあ。
キュート（言い過ぎ？）でクール（ほどほど）な、愛すべき佳作。僕たちのチェーホフ
探しをしたりの一行を幕間。本題からずれていく、でも大まじめな滑稽さはずれてる
ようでさもり。短編本体は、笑いをポイントに小気味よくダイジェスト。偏執と変容
のおかしさを前面に、哀感、暗部とか見せず、さらっとまとめ。する役者、掛け合い
なアンサンブルとも最上等。お手軽ランチも、素材はディナーに同じな贅沢さを
味わうねこ。
役者。増田さん。主役な演技で、気まぐれ女のかわいらしさ発揮（熊）。金替さん。
胃痛でなさけないけど、意地っ張りな男（結婚…）のとほほ感○。
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