＠中野 ザ・ポケット(2005/2/8-13 8ステージ)
http://www005.upp.so-net.ne.jp/thepocket/index.html
全指定 前売り2500円 当日2800円
脚本・演出：蓬莱竜太
美術：伊達一成 音響：藤平美保子 照明：松本由美[東京舞台照明]
宣伝美術：小原敏博[アカエボシ] 衣裳協力：小原敏博[コブラ会]
表紙イラスト：蓬莱竜太 制作：神野和美、松尾由紀
制作協力：（株）オフィスPSC 重留定治、広川由季
出演：
中島佳子 [無機王] ：松田リカ（女子高生）
田口朋子 ：細見マコ（リカの友人。引っ込み思案）
加藤亜矢子[モンゴルパーマ]：篠原スミエ（リカの友人。アクティブ）
小椋 毅 ：関ケンジ（地元高校の番長）
野口かおる［双数姉妹］：岩下エリコ（リカ同級生。番長・関の恋人）
高橋康則[マーク義理人情]：本吉ヒカル（ケンジの舎弟。強がり）
正村嘉浩 ：田多エツシ（ケンジの舎弟。気弱）
高橋麻理[扉座] ：白石サツキ（代紋頭の情婦）
成瀬 功[マーク義理人情]：田中キョウジ（代紋。調子がいい）
西條義将 ：モズ（代紋。無口）
津村知与支：松田ノブヒコ（リカの兄。ふがいない）
菅原大吉 ：松田ユウゾウ（リカの父。だめ男）
古山憲太郎：坂本シンヤ （地元漁師）
2005/2/12(土)快晴 2:15-4:24PM(2'08) 中段より 客席満員(150人)
客層：老若男女。男性4割、半分中年層。夫婦家族連れも結構。
客入れ：当日券あり、詳細不明。彼らの入場調整で開演15分押し。開演前注意は
主人公から父親への手紙趣向。見終わって思い返すと(注意除き）しみじみする
ものあり。全指定いす席、前３列平床、以降雛壇。客席案内は2人で適時対応。
間際入場のお客が多いのと、当日券客さばきの段取り難が開演遅れの原因？。
シアターテレビジョンのカメラ収録あり。放映日不明。
折り込みパンフ。A4縦折り3ページ。主宰、昨演出の挨拶、配役、スタッフ、予定
掲載。次回公演。12月後半番外公演。来年4/11-16本公演。この間、蓬莱さんは5月
東京ヴォードヴィル関係、6月佐々木蔵之助・佐藤隆太芝居の作演出。また8月舞台版
「世界の中心で愛をさけぶ」の脚本を担当。物販なし。
昨年の「五十嵐伝」では、聞くも語るも涙状態だったモダンスイマーズ。外部依頼も
目白押しの蓬莱竜太 最新作。
舞台。コンクリート堤防。上手側半分奥に平台、前に電信柱。奥に障子をいれて
主人公宅の座敷となり。中央奥〜下手前に堤防、客席前に波止場な平台。横に太め
の幹。いろんな場所をとけ込ませたよな舞台。
お話。ハードな青春物。北の島。柔道得意の高校生・リカの家は火の車。母親は
幼い頃駆け落ちし蒸発、残された農業を営む父親は酒とばくち三昧。その頃、本土
の抗争から疎開してきたヤクザの情婦とお守りの舎弟が仕事始め。気の弱いダメ父
は借金の方に農機械をあわや取り上げられそうになる。リカの兄は年上女性との
恋愛にかまけ、なんか及び腰で情けない。リカは単位は確保の上、学校を休み、
バイトに精を出す。兎にも角にも自立せねば、未来はないからだ。
意志が強くある彼女にヤクザ連中も一目置く。友人達は頑なさに危うさを感じ、
案じ始める。そんなある日、リカの床下貯金は借金返済がため、父親に無断で使わ
れてしまう。思い切ったリカはヤクザ達の実入りのいい仕事を手伝い、才覚を現し
ていく。
ますます離れていってしまうリカを案じ、番長はいつしか同棲。番長の恋人は実の
ところ愛情のかけらもないリカに憤怒を感じる。一方、リカの凍った心の強さと
弱さを知る女友達は、ともに島をでて前に進むことを促す。拒否するリカに転機が
おとずれる、それはその女友達の哀れな死。リカは島をでる決心をする。リカの
父親、自己との葛藤と和解を軸に、弱くて呑気な島民の悲喜劇を描く群像劇。
骨太の物語、細心の台詞。60〜70年代な青春の蹉跌な物語と主人公、をちょっと
浮ついたサブキャラで悪戯に暗くさせず。そこら演出な匙加減が、軽めで地味なん
が物足りないけど、丁寧な人物描写と牽引力ある物語はさすが。人情芝居として
ツボおさえ。ラストの父親との和解・柔道勝負場面とか、もらい泣きねこ。次回作
が楽しみねこ。
役者。リカ役・中島さん。あえて主人公に地味キャラ？。でもキャラを立てない
ことで物語にすっとはまり。キャラがたつ、野口さんらとも地味にいい案配だし。
［月間一覧］