日本総合悲劇協会VOL.2「ふくすけ」
＠三軒茶屋・世田谷パブリックシアター (1998/12/17-27 13ステージ）
指定4300 ３Ｆ自由3000（当日＋200） 立見4000
http://www9.big.or.jp/~otona/ (大人計画HP 1月中旬開設とのこと）
作・演出：松尾スズキ スタッフ、出演者は下記。
1998/12/25(金)晴 7:05-9:25PM(2'20) 1F後方から(立見)客席ほぼ満員(500？人)
客層：20-30才代女性中心に幅広く。男性客、結構多めかな。ナイロンの大倉さんが
ただのぼーとしたあんちゃん然として、廣川さんと観劇してたり。
客入れ：当日券、開演15分前購入。２０人ほど列。なかなか列が進まないのはなぜ
かしら。野田地図の当日券にあぶれたと話す人ちらほらあり。１Ｆ後方の立ち見の
み（５人ほど前で本席売り切れ、って３Ｆとか空いてたけど）ちと安く4000円。
開演直前に誘導、最初に誘導された袖側は舞台上方が見切れる最悪位置。上下
合わせて２０人に足りないこともあり、係員OKで最後尾中央にみな移動。ああ見晴
らしよくて安心。この劇場は補助椅子出さないから本気の立ち見（隣のトラムは出す
のに・・）。週末でちかれてたねこは30分ほどして空き席に着席、なんかすいません。
'91悪人会議Ｐとして上演、今夏のヘブンズサインとも繋がる公演の再演。
舞台。後方、凸型黄色ボックス状2,3F建て舞台。それぞれに幕替わりのブラインド
、ボックス間は階段が掛けられ、最上部からさらに昇る縄ばしごあり。客席前方に
張り出した濃紺色の１Ｆ。中央に陥没奈落、周囲には一部に切り欠きがある通路。
この欠落がさりげに緊張感を醸して○。
お話。初演と同じ印象。いくつもの挿話が行きつ戻りつ、世紀末なカタルシスに収
束する。告発魔として異常さを増す躁鬱症・主婦マスが、歌舞伎町の影の女王から
都知事選に出馬と、成りあがるお話。そのマスを捜し歩く純愛？夫・ヒデイチと彼
が協力を願ったホテトル嬢とルポライターのお話。盲目の妻と彼女に歪んだ恋愛感
情をもつ悪人・コオロギのお話。そして、薬剤被害で奇形となった”ふくすけ”の
数奇な運命のお話。これらが絡み合い、やがて対立、暴走してゆく。
主要役者の充実で手応え◎。初演の記憶をそぐことがない、はまりぶりな好演を安
心して楽しむねこ。お話、初演当時の風俗など背景はあえて変えていないよう。酷
く不気味になる一方のリアルからすると、作品の悪辣さはまだしゃれになってると
反って感じられたねこ。悪意てんこ盛りなれど、ゆるいヒューマニズムなどを揶揄
、悪もまた人の姿であることをきっちり描き。理性を超えてせざるを得なかったど
うしようもなさが見えて、とても悲しい気持ちになるねこ。初演に記憶する怒涛の
エネルギーは減、というより一層クールに醒めてる、終盤近くの終わりと始まり場
面など、印象。生も死も等価な世界「この世はフィフティフィフティ」と言うホテトル嬢
・美加理。その見通してしまった絶望にまた泪するねこ。
役者。まったく作品に応えた演技がさすが。はいり、銀粉蝶の堂に入った悪女ぶり
綾田俊樹のはまったとほほおやじぶり。美加理、犬山犬子の健気さ、悲しさ。初演
の時はお手伝い、今や中堅役者として自信を感じさせる宍戸美和公。ねこかぶりと
狂暴さが同居したいかれぶりの阿部サダヲ。小悪党のなさけなさがとてもいい、松
尾スズキ。脇役。池津祥子。キスの直後に唾吐く女ぶりがしびれさせてくれて○。
初演 今回
ザ・スズナリ
1991/8/23-9/1
14ステージ
演出助手：宮藤官九郎 大堀光威ほか
音響 ：半田充 藤田赤目
照明 ：佐藤啓 ←
舞台美術：？ 島次郎
特殊造形：南坂達徳 直井雄一
８mm映像：藤田秀幸 ←
振付 ：八反田理子（ばちかぶり）八反田リコ
作曲 ：−−− 金子いづみ
衣装 ：池田祥子ほか 日中亜紀ほか
舞台監督：比嘉正哉 菅野将機
制作 ：長坂まき子 ←
助成 ：−−− 芸術文化振興基金
出演：
躁鬱症の主婦 マス ：深浦加奈子 片桐はいり
マスの夫 エスダヒデイチ ：山崎一 綾田俊樹
巨頭症の男 ”フクスケ”こと
スガマナツオ ：温水洋一 阿部サダヲ 歌舞伎町風俗元締め３姉妹
コズマ エツ ：片葉みはる 銀粉蝶
ミツ ：田中章子 宍戸美和公
ヒロミ：伊勢志摩 ←
コジマ姉妹家使用人 レイジ：長岡尚彦 宮藤官九郎 ホテトル嬢 フタバ：戸村由香 美加理
ルポライター タムラタモツ：林和義 皆川猿時
ミスミ製薬社長 ミスミミツヒコ：岡本圭之輔 山本密
（男爵） 放蕩者 コオロギ：松尾スズキ ←
コオロギの盲目の妻 サカエ ：胃山人恵 犬山犬子
コオロギの浮気相手、看護婦チカ：池津祥子 ←
ヒロミの恋人 ミッチィ：鈴川麻王 猫背椿
宗教関係の先生 スゲヤマ：村松利史 村杉蝉之介
元子役スター カゲムラ：青島寒月 （影村）斎藤拓
団長：立石明石（見世物小屋団長）今井廷明
刑事：山本密
信者：小浜正寛
ビフテキ：顔田顔彦
クソ坊主：宮藤官九郎 一番背が高い男： 木村卓矢
女の子のような男： 新谷眞木
靴唐きを見物する男： 福田陽一
ミツチイの死体： 青砥美香
ついてくる女： 井内美和子
ぶつぶつ言う女： 石原雅子
葬式で踊る女： 伊藤尚美
せむし男： 小笠原章洋
客に背を向ける記者： 小川富美子
サブカル好きの女： 川勝京子
ヒデオ： 斉藤久実子
大滅亡をする男： 佐々木大介
声が大きな記者： 釋文江
笑顔に難のある男： 白石高大
若いポリス： 鈴木朗之
看護婦： 田村るみ
ヘビ喰い女： 東−ひとみ
亀に似た信者： 戸田光栄
ヘヴンズサインに出ていた少年： 鳥海愛子
温泉のデブ： 中田葉子
骨折した男： 野添征爾
遠くにいるホステス： 萩尾麻由
氷を運ぶ男： 林岳人
小人： 樋口徳子
キレる記者： 深澤麻子
若いポリスの妻： 本谷有希子
ヘヴンズサインに出ていた外人： レシャードマユミ |