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 二兎社 公演31「新・明暗」

 @三軒茶屋 世田谷パブリックシアター(2004/10/22-11/7 15ステージ)
  http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/frame.html
 全指定 前売当日とも 1階席5000円 2階席4000円 3階席3000円
     学生割引1500円 (3階席のみ)
 
  @埼玉 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール 10/9 1ステージ
  @静岡 長泉町文化センターベルフォーレ 10/11 1ステージ
  @神奈川 杜のホールはしもと ホール 10/14 1ステージ
  @福岡 大野城まどかぴあ 大ホール 10/16 1ステージ
  @札幌 札幌市教育文化会館大ホール 11/17 1ステージ
  @滋賀 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール 11/19 1ステージ
  @大阪 シアター・ドラマシティ 11/20-21 2ステージ

 作・演出:永井愛
 原作:夏目漱石「明暗」 
  青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/card782.html
 美術:大田創 照明:中川隆一 音響:市来邦比古 衣裳:竹原典子
 舞台監督:小山博道 宣伝美術:マッチアンドカンパニー 宣伝写真:熊谷聖司
 提携:世田谷パブリックシアター 制作:弘雅美、安藤ゆか
 ポスト・パフォーマンス・トーク 永井愛×
 26m出演者 27m俵万智、長谷部浩 30m佐々木蔵之介 3m夏目房之助

 初演 公演29   公演31
 2002/10/5-24   2004/10/22-11/7
 24ステージ    15ステージ
 シアタートラム  パブリックシアター
 指定4500円    5000円
 2時間49分(休憩不含)    2時間51分 (休憩不含)

 出演:
 山本龍二[青年座]→鴨川てんし(配役同じ) ほか初演同等
 2004/10/30(土)小雨 2:06-5:13PM(1'22/休15/1'29)1F後方 客席超満員(730人)
 客層:20-30才代女性最多。老若男女、大人よりに幅広く。女性7割。
 客入れ:当日券あり、立ち見20人ほど。クローク、無料コインロッカーあり。
 不要チラシ置き場の設置、休憩時間を含めた膝掛けの客席内ご用聞きは、他劇場に
 見習ってほしいねこ。折り込みパンフ。いつものA6小冊子。顔写真付き役者紹介。
 上演年表など掲載。次回公演。来年10-11二兎社+英国ブッシュシアター共同企画
 ・二年ぶり新作@ビニサン・ピット。

 物販。吟醸酒・新明暗(京都・佐々木酒造(蔵之介さんご実家)720ml 1500円)。
 饅頭 1個150円 戯曲、著作本ほかいろいろ。 カーテンコール2回1分。

 終演10分後にトークあり(予定1時間)。ほとんど居残り、他の日に観劇した人の
 待ち列(整理券配布)が40,50人ほど。満員予想につき、空席に荷物など置かない
 ようお願いあり。次の唐組公演に間に合わないので、不参加ねこ。
 
 とりわけて意義ある再演。初演は最重要・山本郁子さんが怪我(骨折だっけ?)、
 無理を押して千秋楽まで演じきり。とはいえ、全く違う2役の演じ分けには制約が
 あり、彼女としては不完全燃焼と思われ。今回、万を満たしての再演となり。
 
 舞台。初演と同じ。ピースを欠いたジグソーパズルを重ねたような壁。不明に彷徨
 う登場人物の心象まんまで演劇的。上手に二階通路への階段。床は回り舞台として、
 最小限調度と併せてちゃきちゃき転換。

 お話。妻と訳不明に自分を捨てた元彼女。二人の女性の真意を計りかね、また
 勘違いしては、土壷に嵌るエリート商社マン。主導権を握り、不安解消といきたい
 が、やはり夫の秘密は計りかねて△な妻。先がみえない心理ゲームをミステリアス
 かつユーモラスに描いてく。
 
 しゃれのわかる演出、巧者な役者に終始うふふ笑い。ウェルメイド・プレイの規範
 ・永井愛の舞台を存分に楽しむねこ。愛情とエゴが交錯する迷宮な物語から、
 ミステリーやコメディとしての面白味を軽やかに引き出し。笑いの果て、ラストに
 青空に待つ女達のシルエット。胸騒ぎを予見させる、ぴりっとスパイシーな後味が
 旨し。
 
 音楽は初演と同じに、全部モーツアルト。不安を醸す短調部分オンパレードに
 笑い。登場人物が我に返ると、曲が終わり明転。とその後の長調が頭の中で鳴るの
 には、苦笑いねこ。演出家も知らぬ(個人的)効果なり。しゃれといえば、商社マン
 が義理の父にプレッシャーを覚える、オペラ会場場面。魔笛の「パパパの二重奏」
 をもじって、登場人物が掛け合い。座布団三枚な、機知に富んだ趣向なり。
 
 役者。軽妙な演技の蔵之介さん、山本さんはさすが。ほかは考えられないほどの
 はまり方○。はまるといえば、小山さん。全く異なる三役を多重人格に演じ分けて
 、女優魂をみせ。ほか、脇役は出過ぎず、木野花さんも抑えめ、きっちりと仕事を
 して、アンサンブル◎。
 

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