＠渋谷 青山円形劇場(2007/5/10-6/3 30ステージ)
http://www.aoyama.org/
全指定 前売6000円 当日6500円
脚本：岸田國士 潤色・構成・演出：ケラリーノ・サンドロヴィッチ
和装監修：豆千代 振付：井手茂太[イデビアン・クルー]
舞台監督：福澤諭志＋至福団 舞台美術：加藤ちか
照明：関口裕二（balance,inc.DESIGN） 音響：水越佳一（モックサウンド）
映像：上田大樹（iNSTANT WiFE） 映像イラスト：吉井花英
ヘアメイク：武井優子 演出助手：山田美紀（至福団）
宣伝美術：坂村健次（C2デザイン） 宣伝写真：小木曽威夫
イラスト：フカザワテツヤ 宣伝ヘアメイク：山下まきえ、山本絵里子
制作：花澤理恵 お問合せ・企画・製作：（株）シリーウォーク
出演：下記
2007/5/27(日)晴 2:02-5:06PM(1'51/休12/59)ロビー側後方 客席満員(350?人)
客層：20-30歳代最多に幅広く、カップル多め、女性過半数。
客入れ：完全円形の7/8ブロック使用(Ｄに装置)。Ｄの頻度は少な目、ぶんぶん円形
舞台を回すのでどこでも大丈夫。折り込みチラシそれなり。折り込みパンフB5
4ページ 添付1枚に原作者略歴。情報不足のお客様の混乱をさけるために KERAから
説明文。配役、スタッフ、予定掲載。次回公演。12/8-30＠本多劇場。 物販。パンフ
(A6 ハードカバー 1500円) 表紙のしおり趣向にほほえみ。松たか子×KERA対談
収録。ポスター500円。 カーテンコール2分2回。
プレ公演のよな「命を弄ぶ男ふたり」＠禿禿祭 以来の岸田國士作品演出。外部作家
作品による珍しい本公演。
舞台。完全円形。パッチワークのよに寄せ集めた、壁床と調度。遊園地の書き割りの
よなビルを従えた家装置が客席内一片。鎖で繋がった軟体な電信柱、ビルがぐるり
劇場壁沿い。間に大スクリーン、対面二カ所。中央円形舞台、畳と板の間の寄せ木
細工。装置は垣根など最小限持ち込み式。上空に「Ｎ」を頂点に抱いた十字、風見？
お話。岸田戯曲をリミックス、町内会の人々の出来事として描き、時に絡ませる。
年の割に無邪気すぎる息子がちょっと気がかりも、平穏に過ごす一家(「犬は…」）
ある日、隣のお屋敷（「驟雨」の舞台)から、飼い犬が女主人の靴を加えて逃げたと
苦情がくる。仕方なしに犬を探す内、親子は岸田戯曲に登場する夫婦、兄弟、家族を
通りすがりに出会っていく。
似た者通し、会い分かち合う。70年の隔たりを超えて親しく、また珍しく岸田戯曲と
出会う喜びを感じるねこ。靴や犬の行方さがしを一つの導線に、ままならず、すれ
違いながらも生きる日常の悲喜こもごもと、相通じる思いを浮かばせていく。秘めた
欲望が昼メロな「隣の花」、夫婦を巡る男女の温度差「驟雨」ら、戯曲の裏を
鮮やかに描いて、ふーみ微笑。すれ違う夫婦に甘い夢を見させるよな「ぶらんこ」
「紙風船」で結ばせ、辛い現実と夢のラストにロマンティック。甘くはないけれど、
優しいＫＥＲＡの一面にふれ、しみじみとするねこ。
戯曲の台詞はなんとまあ、そのまんま。端正で美しい日本語の魅力を、大正、昭和
初期の風俗ととも伝えてくれて◎。
リミックスはＫＥＲＡらしくポップな仕上がり。はぐらかし、ずれや反復、突拍子
なさにナンセンスな笑いも交え、愉快に進行。舞台転換では井手ダンスで賑やかに、
盆をぶん回す遊びも楽しく。お目当ての女子も多い・豆千代衣装。あでやかもシック
しっとりと俳優陣の個性を引き立て。とりわけて、和服美人ぶりひときわ。
上演は以下の作品を切ったり書き足したりして構成され
・犬は鎖に繋ぐべからず
大河内浩 ：今里念吉
村岡希美 ：今里二見（妻）
植木夏十 ：今里甲吉（息子）
植本潤 ：大串葉絵（大家）
大山鎬則 ：尾畑
吉増裕士 ：百瀬鬼骨
杉山薫 ：まつの
廻飛雄 ：三良
柚木幹斗 ：島貫
ほか
・カライ博士の臨終
大山鎬則 ：細木
ほか
・隣の花
みのすけ ：久慈
緒川たまき：久慈文子
藤田秀世 ：目木
新谷真弓 ：目木雛子
・驟雨
松野有里巳：恒子
松永玲子 ：朋子(叔母)
廣川三憲 ：譲（叔父)
安澤千草 ：吉澤
眼鏡太郎 ：恒子の夫
・ここに弟あり
萩原聖人 ：洪次郎
長田奈麻 ：紅子（妻)
廣川三憲 ：基一郎（兄）
・屋上庭園
植本潤 ：並木
植木夏十 ：並木の妻
大河内浩 ：三輪
安澤千草 ：三輪の妻
・ぶらんこ
長田奈麻 ：紅子
萩原聖人 ：洪次郎
・紙風船
みのすけ ：久慈
緒川たまき：久慈文子(夢の女)
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