青年団〈第4回若手自主公演〉「「F.+2」F=FRAGMENT〈破片〉」
＠駒場東大前・こまばアゴラ劇場 (1999/8/25-29 7ステージ）
全自由前売り当日共2000 問い合わせ 劇団03-3469-9107
作：長谷川孝治[弘前劇場] 演出：三浦基 美術・装置：播間愛子＋突貫屋×ZEST
照明：西本彩 タイムキーパー：矢野靖人 宣伝美術：京 総合制作：平田オリザ
出演： 参考'97弘前劇場公演
坂本和彦：粕谷正（先輩。ガソリンスタンドアルバイター） 後藤伸也
小林洋平：中山光（後輩。同上） 沼澤豊起
角舘玲奈：中条幸（無職） 杉原文子
岩崎裕司：服部忍（サーファー） 肥後宣典
1999/8/25(水)曇 8:05-9:35PM(1'30) 最前列より 客席超満員(90人)
客層：20-30才代中心。男女半々。花組芝居の佐藤さん、桂さんの姿もあり。
客入れ：開演20分前開場。いつのもように階段に整列入場。荷物預かり、場内誘導
常駐はきちんと。ベンチシートがほとんどでやや窮屈（通常小劇場並）。織り込み
パンフに最小限情報。物販パンフなし。ロビーで青年団の公演ダイジェストビデオ
放映中（英語字幕付）。
弘崎劇場、役者主体に造るFRAGMENTシリーズ、97年作品。
舞台。コンクリート剥き出しの床。真っ黒なトタン壁。上手、中型バイクと工具箱
下手、紺色ドラム缶７本。ドラム缶の後ろ床に砂山、上に袋を吊るした電動ホイス
ト。中央、一段引っ込んだところに簡素なベンチ。全体がらんガレージな作業場。
お話。ガソリンスタンド。先輩と後輩らしい２人の会話。妬みと嫉み、傍若無人な
言動の先輩。努めて冷ややかに受ける後輩。通りすがりのちと変な、行きずり
カップル。ますますくそ熱いガレージ。２人の爆発を予告する臨界警報は止まらない。
膨大な情報量、研ぎ澄まされた言葉に依った非日常な日常会話がすごい、会話劇。
醒めた目冷たい目。憤りな荒くれた内面を見つめる、不明な自分が何者かを見つめ
るような。そんな時の自己嫌悪がそこここに現われる舞台。いやーんな感じが興味
深いねこ。内省な作品なれど、本演出には俯瞰するよな視点感じ。世界のすべてを
曝していくような。それは、白日の下のモノローグ、白々とした灯りに一変する冒頭と
ラスト近くの「暴力」露見場面などに伺え。スポットを使用、陰影に富んだ弘崎劇場
公演との違いに、ふーんねこ。
役者。後輩役、小林さん。しらっと、時にこわばる表情が○。先輩役、坂本さん。
この役、言葉が一杯だし大変。熱演なるも、速射砲な台詞回しがいまいち。ラストの
衝撃的な言葉が聞き取り難いのは残念。さらに、荒くれと知性がもっと過剰に混在
するといいんだけど。未来に期待。角舘さん。かわいい、無表情、時折生々しく感情を
射し込せるのが巧み。印象に残るねこ。岩崎さん。捉えどころのない浮遊感が役
そのもの。
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