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 シアターコクーン オン レパートリー2003 「ニンゲン御破産」

 @渋谷 シアターコクーン(2003/2/4-24 29ステージ)
 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/
 全指定 前売り S席8500円 A席6500円 コクーンシート4000円
 当日券 本席:上記 立見券:中2階3000円 2階2500円 

 作・演出:松尾スズキ[大人計画] 美術:池田ともゆき
 音楽・脚本協力:伊藤ヨタロウ 照明:大島祐夫 音響:藤田赤目 衣裳:戸田京子
 舞台監督:青木義博 小道具デザイン:武藤晃司 殺陣:中瀬博文 振付:康本雅子
 演出助手:伊藤和美ほか 宣伝美術:永石勝 宣伝写真:大橋仁
 制作:松井珠美・Bunkamura、長坂まき子・大人計画 企画・製作:Bunkamura

 出演:(台本順とか。役柄別途掲載。)
 中村勘九郎    :加瀬実之介
 吹越 満      :黒太郎
 阿部サダヲ[大人計画]:灰次
 田畑智子[HP]  :お吉
 秋山菜津子    :お福、女神、婆あ

 村杉蝉之介[大人計画]:ヒュースケン、官軍、かごかき、関、幇間(玉助)
 荒川良々 [大人計画] :ボブ、彰義隊、かごかき、番頭
 田村玄一        :トム、官軍、瓦版売り

 浅野和之[シスカンパニー] :瀬谷修一朗、新撰組
 小松和重[サモ・アリナンズ]:豊田夢之進、新撰組
 皆川猿時[大人計画]    :田辺健次、官軍、火消し、足軽
 近藤公園[大人計画]    :安藤真之輔、官軍、武士
 竹厚 誠           :兵庫真之輔、官軍、武士

 松尾スズキ[大人計画] :鶴屋南北、松尾
 宮藤官九郎[大人計画] :河竹黙阿弥、彰義隊、身体障害者、土方歳三

 片桐はいり      :ムツ、隠し玉、婆あ
 伊藤ヨタロウ     :旅芸人の座長、新撰組、ぼてふり、武士
 池津祥子[大人計画]:テツ、北尾、婆あ、ダンサー
 猫背 椿[大人計画]:ヤツ、柿崎、婆あ、ダンサー
 桃山由希絵     :オヨツ、百姓、婆あ、ダンサー
 萩尾麻由      :イマ、百姓、婆あ

 植田裕一[蜜]   :録蔵、佐野、彰義隊、取り方
 岸建太朗      :斉藤、官軍、百姓、武士、強力
 平岩 紙[大人計画]:小娘、太夫、夜鷹、ダンサー
 野呂彰夫[フラクタル]:薩摩浪士、彰義隊、武士

 星野 源       :芸人、役人、武士、官軍、若衆
 少路勇介[大人計画]:武士、百姓、官軍、浪士
 山本将人[大人鮫]  :武士、百姓、官軍、浪士
 ドロレス・ヘンダーソン:太夫、母、夜鷹、官軍、ダンサー
 康本雅子       :太夫、夜鷹、官軍、ダンサー
 
 2003/2/8(土)晴 1:01-4:23PM(61/休15/51/休14/60) 1F後方 客席超満員(800?人)
 客層:老若男女、20歳代後半〜中年層も結構〜の高め年齢層。女性過半数。
 客入れ:当日券。最後尾の補助席10?を含め、本席売り切れ。中2階のいつもの立ち見
 席。今回は16人しかおらず(20キャパ。整列時もそのくらい。2階分は未確認)売れ
 残ってた模様。1時間ごと休憩あるし、わりかし平気かも。休憩時間のロビー・アト
 ラクションなし(残念)。舞台下がプール、水しぶき結構だけど、様子を見てる限り、
 最前列席でも大丈夫みたい。ほぼ定刻に開演なので、遅刻注意。
 物販。パンフ(A4版 30ページ 1500円)松尾スズキ画伯・ポストカード付き。戯曲本
 (46版ハードカバー 1890円)もうでてるのね、ぺっくり。ほか、著作本、雑誌多数。
 HPにも掲示されてたけど、劇場駐車場が10時で閉鎖されちゃうので、ソワレは注意。

 松尾スズキ、「キレイ」(2000)以来の商業劇場公演。ねた沢山、ていうか全て(以上)
 な舞台なんで、さらっと書くねこ。

 舞台。お堀端の黒板塀。階段を中において上下舞台。下段の両袖は藪と水路。両袖
 階段から一旦登り、斜路〜後方上段に繋がり。正面は石垣や塀、天守閣書き割り絵
 とか背景。両側の壁は格子戸風、大小の虫食い穴。上手客席横に小バンドとかの
 サブステージ。客席通路も結構使うので、後方か上方からのが観やすいかも。

 お話。幕末も末。人気狂言作家・南北、黙阿弥の元へ持ち込み原稿する加瀬実之介。
 ダメだしくらっても、食い下がる根性に、なぜ!?と話を聞いてみれば、公私混同。
 有為転変の身の上の方が面白そうだと南北に促されて、語るのは「芝居」のような
 身の上話。パンフにあらすじ。要領よくまとめられたのを観劇後読むと、この舞台の
 魅力が逆にわかって、ふーんねこ。

 面白・芝居、面白・役者芝居、ノンストップ。フルコース3時間も、単品で頼ん
 じゃだめですか、幹事!、とわがまま食いしん坊ねこ。混沌、混迷、混乱のちゃちゃ
 入れまくり(だから、パンフあらすじつまんない)。通常仕様の芝居を止めまくり、
 ねじ曲げる箸休め的小ねた沢山、愉快千万。芝居(人生すか)を芝居で物語るメタ
 仕様をとりつ、枠にはまらないアナーキズム◎。作家・松尾スズキの腰が引けつつ
 (ギャグすか)、意欲あふるる作品がみられてうれしいねこ。幅広い客層のコクーン
 興行をおもんみてか、因業に深く切り込むことは控えめ(でも、時々表出してどき
 どき)。面白いけど、もうひと味ほしい、は贅沢かな、ねこ。

 話題の勘九郎。乾坤一擲、チャレンジャー。板にのらないかまぼこと、松尾舞台に
 収まらないじたばたぶり。弄られただけじゃ終わらない、意地が見えるよな後半に
 うむむねこ。期間後半にどう化けていくか、いかないのか、気になったりして。

 役者。片桐はいり。近年最高。嵐吹くよな舞台で、喜々として演じる姿がキテて◎。
 阿部サダヲ。まいど最高。今回も水を得た魚と泳ぎまくり。小松和重。ほどよい
 自由度の高さ◎。ホント、巧い役者さんなり。浅野和之。パロ大行進の2幕でお楽し
 み。田畑智子さん。よく通る声○。身の程をわきまえた等身大キャラの賢さ、悲しさ
 が伝わって、ほろほろりの好演。大人計画の本公演にもでてほしいねこ。宮藤官九郎
 お惚けから2枚目もどきまで幅広く。つかパロキャラはまじかっこよし。松尾スズキ。
 いきなり人を食ったような演技演出、その胡散臭さに愛情を感じるねこ。

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