＠天王州アイル アートスフィア(2004/4/25-5/5 17ステージ)
http://www.tennoz.co.jp/sphere/
全指定 前売りＳ席6300円 Ａ席5300円
＠大阪 シアター・ドラマシティ 5/13-16 6ステージ
＠名古屋市民会館 大ホール 5/19-20 2ステージ
作：細川徹[男子はだまってなさいよ！]、坪田塁、丸二祐亮、シティボーイズ、
中村有志 演出：細川徹
音楽：ＰＥ'Ｚ 映像：番場秀一 舞台監督：森下紀彦 照明：磯野真也
音響：島猛 舞台美術：磯田央 スタイリスト：勝俣淳子 衣装：山本有子ほか
小道具：松本英明 大道具：唐崎修 制作：鈴木健介ほか プロデュース：砂長義雄
宣伝美術：松本英明、中山克之
製作：（株）アツシュ・アンド・ディ・コーポレーション
出演：
大竹まこと、きたろう、斉木しげる[シティボーイズ]、中村有志
小林幸太郎、西野恭之介[チョップリン]
2004/4/29(木祝)晴 7:07-9:10PM(1'52) ２階前方より 客席ほぼ満員(700人)
客層：20-30才代中心、男女半々。カップル多め、男子眼鏡率高め。
客入れ：当日券不明。補助椅子あり。折り込みチラシ多め、アンケートに簡易鉛筆付。
公演チラシ置きなし、どこで手に入れられるやら。パンフ(B5 60ページ 1800円）
写真多数、読み物結構。斉木さんの暴走文章にうーむ。大竹さんの新刊エッセイあり。
物販所で書き込みがあるのがほしいという客あり。なんでもメンバーが落書きをして
るのがあるらしい。カーテンコールトーク11分。
作年に続き、細川徹・作演出。野郎だけ出演はラ ハッスルきのこショー以来とか。
舞台。カラーパターンにタイトルを入れた「カラフル」な幕。常駐装置はなし。柱を
幾本か、都度おろして背景として使用。ほか、装置は持ち込み式。
構成。小ねた以外は繋がりのない、長めの単発コント集。「祭」「着ぐるみ」など、
お約束は毎度のことであり。
迷走しまくりの会話、大の大人が恥ずかしい着ぐるみ（や演技）ら、ねたとキャラ
芝居。わかりやすい（不可解さもわかりやすい）笑いがてんこ盛り。構成やねたに
凝らない分、お気楽に楽しむねこ。三木聡時代のファンは物足りないだろうけど。
大竹さんの常識を取り巻く、二人の非常識さと飛躍の面白さは相変わらず。斉木さん
コスプレは夢にでてきそう。最近傾向の大竹さんがやらされて恥ずかしい演技は、
増量。年をとるとたがが外れてくる？ということかしらん。職人・中村さんの多重
人格な役変わりは、ご苦労様もの。松竹芸能の二人はもひとつ外してるけど、自分
範囲で面白いとこみせる時あり。
今日のねた（ねたばれ注意。これから見る人は立ち入り禁止）
タイトルなねこ勝手。覚え書きなんで、抜け多数と誤記があるだろうことをお断り。
１メザシ五人男
カラフル入った白和服。メザシを縦にびっしり貼り付けた番傘に一文字づつ「メ・
ザ・シ・屋・さ・ん）と「白波五人男」気取り。居並んで七五調風の決め台詞をそれ
ぞれに。いらんかね？いらんかね？。中村：問われて名乗るも〜メザシ並べた板を
肩に担ぎ、ぶらり歩いて天日干し 私はかわいい メザシ屋さん（仲間からのかけ声
の後、垂れ幕「加盟店募集中！」がどーん。） 大竹：メザシをもって町を移動中
ケータリングのメザシ屋さん（トッピング大サービス！） きたろう：料理学校へ
入学 栄養士資格をもったメザシ屋さん（入学おめでとう）
西野：手広く商売をやってみた メザシを油につけてみた ヤングエグゼクティブ
（アンチョビ！）小林：どでかいメザシをつくってみたい 小林メザシ（メカジキ
メザシ！）マヨネーズにつけて食べると美味しいね、コレステロール！（コレステ
ロール）斉木 ひとくち食べてみれば 口にすれば広がる小宇宙 ガキのころから
宇宙が好きで 墜ちてみてぇなブラックホール（かけ声 ホーキング！ ホーキンス
！＞（それは）スニーカースニーカー） 大宇宙のメザシ屋さん（大宇宙のメザシ
屋さん！）
２ ビデオ 正逆送りで、東京各所を歩く五人映像
３図書館へ移動中
会議机が２つ、正面に「文武両道」と墨書。西野は寝ているきたろうを起こすために
、本をドミノ倒しに列べて仕掛け中。実施、小さく叫び声、巨大な本を抱え、これを
最後にするなときたろう激怒も、すぐ冷め。スーツの男達が図書館で調べもの？。
会社に遊んでこいと言われて、会社の隣の図書館でまったりしている「開発課」の
人たち。仕事がしたい、移動をお願いにいきたいときたろう。遊びもできない人は
仕事もだめと言われちゃうからと止める。きたろうの話始めにぷいっとトイレへいく
（失礼な）大竹。
きたろうは図書館に貸すことにしたと、自分の詩集にバーコードを貼って書架へ。
西野へは口止めするきたろう。着たばかりで休憩する斉木。きたろうの詩集の秘密を
早速ばらす西野。枝という字、ていうか字が読めない小林。さらにウィスキーの本を
読んでいる。ブルーバード？、それは車じゃないか。鳥葬の話、死んだら風になる。
ピュアだねと斉木。ピュア、どこが？、君は人を和ませる天才だねと大竹。死んだら
なんでもなれるとしたら、なんになる？。台風（の目）と斉木。（大竹、役名を間違
ったりしつつ）電子レンジと訳が分からない小林、などなど。
どんどんアイデアが広がっていく、広がりすぎて見失ってしまったと斉木。がんばっ
て、会社が傾くようなアイデアをと、ついつい気持ちでしゃべる、きたろう。新製品
の開発は一筋縄でいかない。一筋縄って？。縄から罪人になった自分の夢を語る斉木
。一筋縄は承認にならないか、ストラップとか。
日本刀を脇にさした図書館員・中村が行き過ぎる。なに？。膣外法権だなときたろう
わざと間違えなくていい。あの人は文武片道だなときたろう（それなら単に武道だろ
う）。笑っちゃう詩集を紹介する大竹。きたろう本人とわかって、気まずくなる。
図書館員中村が詩集をおいたなと苦情。直立不動の口姿勢で半紙をくわえさせ、頭に
本をのせてあるく中村。居合い切りをする？。なんもしないで、三木のりへいの本を
推薦して、中村ひっこみ。頭に本をのせて大竹、モデルスクールを開きま〜す。いろ
んなスクールに開催する遊び。作家の書架番号でドミノをする一同。明日はコンビニ
に一日すごそう。近くじゃなく遠出、八王子のサンクス。なんの音か当ててみてと
斉木。俺の音と骨をならす（わかんないよ）。へそを叩くと、図書館員がだれだへそ
を叩いたのは怒ってくる。そこに直れ、へそをだせと検分され。
４ ビデオ 日本刀の打ち込みをする汗だくの図書館員・中村。獅子舞の獅子と対決の
図。終わってすっきり、部屋をでる。
５うどん屋サスペンス
厨房の作業台、下手に食器ラック。いつまでも上達しない板前・西野に、ライダー
スーツの先輩きたろうは声掛け。なにをいっても、むうーんとしか応えない西野。
動物と話しているよう。眼球！？、ぎゅーってとさらに西野は不可解なこと。きた
ろうは、どんぶりを並び換えて、いたづら。大丈夫かなあと心配するきたろうに板前
・大竹。仕事終わったら、いい加減に帰ったらどうだと。サスペンスを待っていると
うそぶくきたろう。それならここにある、うどんの練り玉に落とした眼鏡のねじを
探す大竹。非常識なことや、くだらないことを言いながら、じゃまをするきたろう。
バイトなのに45分前に出店、うどん作りに命かけている中村がくる。猛烈に働く
中村。どんぶりが定位置にないことに、憤り、全員整列させ、説教するバイトの
中村。きたろうの罪をなぜかかぶる大竹。サスペンスの幕開けだ。店とは一転、苦み
走った口調の大竹に呼び出されるきたろう。なめるだけで何指か当てられると大竹、
試験台になってほしいときたろうに迫る。そんなことがわかってどうするんだ。
どんぶりの件をばらすと脅かされて、しぶしぶ。中腰で舌を出し、後ろ手をぴらぴら
として、指が乗せられるのを待つ大竹。サスペンスを望んでいたことを後悔し始めた
頃、脳裏をよぎるシュールな光景の数々。
ホースから声が、ヒラメを投げませんか。西野のらくだがうーん。らくだＯＲホース
どっち？と斉木の声。ホースで創った防止と衣装、脇にヒラメをつり下げた姿で登場
する斉木。ホース親善大使です。地球のいろんな場所につながっているホースでお話
理解不能。ホースの舞をお見せしましょう（ホースを張ってウェーブ。長崎の蛇踊り
のようにして、蛇口とホースの絡み）。一同が過ぎ去り、残されたホースを大竹の舌
の上にのせてやるきたろう。
６ ビデオ 公園。斉木は生ヒラメを投げる。チョップリンが干していた布団にぼこぼこ
と当たる。
７ 温暖化を忘れないでシンポジウム
全員の巨大な顔写真を背景に、小机に6人。司会は大竹。人はなぜ温暖化をわすれて
しまうのか（妙な間、すでに忘れている）。鳥インフルエンザが急速に拡大した
「民話」がありましたが（きたろう）。学説だろ。インパクトが違う。きょう！
ぎゅう！びょう！、勇ましい名前じゃありませんか（斉木）など、意味のない議論は
ひたすら迷走、温暖化から離れていく。
パネルの顔写真、なぜこんなにでかいのか。捨てるならもって返ると西野。いろんな
仮説をたててみた。マイクの声が自分の声じゃないようです(小林）。温暖化の影響
を言い換える斉木、アポロンの柔肌を〜。切れた大竹は、斉木の写真に生トマトを
投げつける。さらにきたろうのいい加減さにも切れて、写真にマジックで髭をかく
（しまいにネズミ顔）、。取り組む姿勢について議論。頭が痛くなる大竹。痛い？、
痛みから始まった議論は無関係となり、発散。テーマ曲を作ることを思いついた
中村。大竹ほか全員が写真の後ろに回り、巨大な頭を抱いたの図で、温暖化を忘れ
ないでと歌い踊り。切れる大竹に写真の顔パネルで謝る一同。
シンポジウムが終わり。西野は写真をもって帰ると、家に携帯で連絡。一枚の大きさ
は三畳ほど。どうしてもほしい、重ねればじゃまにならないと説得しようとするが
だめ。6枚そろうとなんかすごいんでよ〜。つり上げられ、片づけられようとする
ところをジャンプして捕まえようとする西野。
８ 演技の値段
ただいまのは1000円のジャンプ演技でしたと、白スーツ姿の司会斉木。次は10円、
死体発見の演技（中村）。小芝居はどうしても10円。次も10円、落ちていたのが
100円でなくビール蓋だった演技（そのまんましゃべる小林、没収）。20円、犬の死体
かと思ったら雑巾だった、ベテラン（きたろう）の演技を堪能ください。手を抜いたので
5円に値下。30円、一人暮らしのアパートに帰ったら、つきあっていた三人の女がいたと
いう演技（大竹が文句はありそうな顔をしながら、大笑い演技）なかなか笑うことは
できない、50円にアップ。20万円、スペクタクルな曲、階段が登場。駆け上がり、
上着を脱ぎ捨てると貴族服。大きな身振りと声でヘンリー三世を演じる斉木。
みていた西野、すばらしいと拍手。どこがよかったか、に大声。
９ 演劇家族
お茶の間のセット。斉木はヘンリー衣装のまま、西野をつれてくる。家には妻
（中村）、長男（きたろう）、長女（大竹 頭にカチューシャ）、祖父（小林）。
みんな斉木の演技をほめて（または、けなして）連れてこられた。夕食はうどん
（中からねじがでてくる）。家族を演じることに嫌気がさした大竹に、大仰な演技で
絡む斉木。
１０ ドラムロールVSホルン
鼓笛隊ドラムを下げたきたろう。ドラムロールの会へようこそ。人生はドラムロール
！、人生はフィナーレの前のドラムロールのようなもの。くじけそうになる仲間
（中村、小林）をドラムロールで励ます。人事部長の中村、感で選んだ新入社員に
会社の金を持ち逃げ、社内は自分を攻める「ムード」。ムードならいいじゃないと
何でもいい方にとるきたろうに、励まされる。しょうもない三人は、身の上や失敗談
をしては互いに励ましあう。きたろうのＢＳＥ陰性診断にも、脳天気にポジティブ。
ホルン兄弟（斉木、西野）が登場、人生はホルン（スイスのでっかいの、本物とか）
です。対抗意識を燃やす、ドラムロールとホルン。中村は魅力を感じ始める。言い
争うところにアメフト姿、鼻眼鏡の大竹がローラスケートで登場。アメリカの会へ
入りませんか。気を引かれる中村に鼻笛を渡す大竹。壮大なドラムとホルンのエール
の後、しょんぼりと鼻笛をならす中村。
１１ ビデオ 鼓笛隊ドラムをたたきながら、正逆送りで歩くきたろう。
１２ 曖昧になっていく私
空港で待ち合わせをする教授大竹。上手の円環オブジェの上に斉木、教授の中のもう
ひとりの自分とか。以下、斉木のナレーションで動かされる大竹。空港で不倫旅行の
ゼミ学生を待っている。そこにゼミの教え子の一人、さらにくだんの女子学生以外の
全員(10人ほど）が見送りにやってくる。まずい。旅行という教え子はなんと同じ
タヒチ行き。なんでなんでなんで。なぜゼミ一同が、なぜ教え子が、なぜ女子学生は
こない。もしかして、二人のことがばれているのか、がーん。
人のトンネルとつくられたり、胴上げされたり、恥ずかしいことこの上ない。教え子
と一緒、顔を擦ってにおいを嗅ぐ彼が嫌いなのに。自分が女子学生に出したメールを
みせる教え子、重低音で愛してやるぜ！。天変地異を願いながら、どんどん体調が
悪くなる教授。もうひとり待っていた、きたろうは金髪美人女性と旅だっていくし、
理不尽。もう教授気絶。もう一人の自分のところにもうひとり自律神経君（小林）と
潜在意識嬢(中村 全身金ラメ）。潜在意識のアドバイス、千代大海を愛しなさい。
自律神経は便意を催す。がまんしろよ。タヒチのコテージ。女子学生の顔がもう思い
出せない。曖昧になっていく教授大竹。
１３ ビデオ 鼻目がねの大竹クローンが行進する。
１４ 引きこもり連れ出し双六
電柱な柱の列。引きこもりの息子・西野（髪が顔にたれて、見えない）小林を連れだ
した、父親きたろう。引きこもり連れだし双六。さいころを振って、出た目先の電信
柱のメッセージに従う。語り合う。おこずかいがもらえる（近所の人たちがわらわら
とくれ）御茶柱祭りを開く（近所の人たち湯飲み片手に祭り）。タイヤ交換（近所の
人たちがチームワークで迅速にやる）。振り出しに戻る（近所の人が身代わりになっ
てくれる）。三代テノール（面白三人組コント）。感動しよう（ラクダの出産）。
上がり、こうして息子は72歳の生涯を終えた。
１５ ビデオ スタッフ 獅子舞の獅子
１６ 蟻の化身？
夕暮れ時の公園。下手奥ベンチにきたろう。中央前の砂場の大竹、子供達は今も
お団子をつくってるのかな。団子に蟻をいれ、でてこられなければ完璧と、きたろう
ホントか？、蟻を生き埋めにするんだ。うっかり足下の蟻をつぶしてしまう大竹。
と太ったおばさん姿の斉木が、亡くなった娘を懐かしいながらやってくる。やたらと
蟻に詳しい彼女。もしや、潰された蟻の母親か？。上着を脱ぎ捨てると、真っ黒な
鉄アレイ（5kg）。なんで鉄アレイが蟻に詳しい？。無駄な時間を過ごしたと着ぐる
み斉木を倒して帰る二人。
カーテンコール。誠心誠意つとめておりますが、寄る年波には、高木ブーさんの気持
ちが少しはわかる、と大竹。人の話をきかない、きたろう。ＹＯＵにもう終わりと
いわれた、どういう意味。よくやりますね、ぬいぐるみをと、斉木に。明るく生きて
いてすごいねと斉木。順調な時は得るものがないね、と名言。きたろうが楽しかった
のは、ドラムロールがうまくなったこと（ええ、あれで？！と大竹）。ホルンは本物
大事にしろよ、に身のない話をする斉木（呆れる大竹）。どうやっても、噛んでしま
うこと。俺達のテンポが早いためじゃないかなときたろう（呆れる大竹）。
ゲスト紹介。東西の客の温度差について。東京の客は暖かい？。いろいろと言われる
二人。中村。声が枯れてきた。15回着替えている。気に入っているのは、潜在意識。
役作りについて、空港の女性はファムファタール（デ・パルマの映画）の女性（ダイヤ
衣装のヴェロニカ）。ＰＲ。パンフや大竹本のこと、いろいろ。2冊ほど感想を書いたと、
斉木。それではまたお会いしたい、でお開き。