＠三軒茶屋 世田谷パブリックシアター(2005/6/8-11 4ステージ）
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/frame.html
全指定 A席(1,2階) 4000円 B席(3階) 3500円 ユース3000円（A席25歳以下)
＠京都 京都芸術劇場・春秋座 6/24-25 2ステージ
＠福岡 北九州芸術劇場 7/3 1ステージ
原作：三島由紀夫「禁色」 構成・演出・振付：伊藤キム
照明デザイン：足立恒［インプレッション］ 音響：藤居俊夫
美術：大野雅代 選曲：伊藤キム 作曲：井上雄二[dill]
舞台監督：黒澤一臣[オン・ステージ・コードー]
演出助手：市村友拡ほか 宣伝美術：阿部聡 舞台写真：野村佐紀子
協賛：キリンビール 主催：財団法人せたがや文化財団
プロデューサー：梶屋一之 主催：財団法人せたがや文化財団
企画制作：世田谷パブリックシアター 協賛：キリンビール
出演：
白井剛、伊藤キム
2005/6/10(金)雨 7:38-9:16PM(1'34) 1F最前列より 客席ほぼ満員(700？人)
客層：20-30歳代中心に老若男女、幅広く。
客入れ：当日券あり、詳細不明。ほぼ客席床高さの低い舞台、1FAB撤去、CDは
ベンチ席。舞台との間(下手側)でパフォーマンスがあるため、荷物預かり積極的に
あり。折り込みパンフ。CDサイズ 7ページ。挨拶や寄稿、スタッフ掲載。物販。
ポスター500円。 カーテンコール4分5回 芝居っけに笑い。スタンディング数人。
AERA表紙にも登場、仕掛け師・伊藤キムと、さりげにかっこいいよね・白井剛との
ダンスデュオ。ダンス愛好家には、舞踏の開祖・土方巽の記念碑的作品(1959)として
公知のよう。この公演も原作も予備知識なしねこ。
原作。老作家が美青年の性的な魅力を使い、自分を裏切った女達に復讐を企てる。
うんでも、ミイラ取りがミイラとなり精神の破綻に陥ってしまう。とか。
舞台。シンプルな白い壁と床、鈍色の鏡の巨大な箱状。通常より低い真白な床。
同色両壁の上手側に縦スリット、下手側は上方に横スリット。ここから床に矩形の
照明を投じ。正面壁は緩く湾曲した、曇った鏡。客入れ時は、赤の帯光が白い壁に
投光、レコードの無音部スクラッチ音が鳴り。過去と現代の出会いみたいなムード
あり。
構成。すっぽんぽんロックコンサート乗り。こともなげに着衣。アンバランスな姿態
や動きに感情や意志を強く込めた、美しいソロ。揺れ動く、愛の奴隷な関係性をくっ
きりとしたコントラストで描いたデュオ。音楽はモーツアルト、マーラーらにバス
ドラやノイズ音を重ねた、新古典。照明は黄、アンバー、赤ら単色を全面展開など、
大胆で美しいもの。
男通しが恋するのって…、単純で複雑。異化作用と同化願望がぐるぐるだから。
そんなたまんない関係性に、自然体の感情をくっきりと添えつ、予定調和に堕ちない
動きを連続。ソロ→デュオと物語性ある興味深い構成。現実を越えた美しい照明、
効果ら演出、スタッフワーク。いずれもがみごとに調和、コンテンポラリーダンスの
もつ力を感じさせてくれ。
２人の個性がまた嵌って◎。伊藤キムの芸人なサービス精神と秘かな命がけぶり＝
ぶたれても好きな愛の奴隷の切なさとしたたかさ。白井剛の無為な美しさと密やかな
過激さ＝美青年の罪と孤独。てな印象なぞ。ついで。１階最前列席(ぴあプレリザー
ブ)で、伊藤キムの豊かな表情や白井剛の美しい肢体を眼前に目撃できて、ラッキー
と思うねこ。
主な構成 覚え書き
・真っ白。大音量のロック。正面左右から裸の２人（ヘアは剃り）。喜色満面、ノリノリで
転がり走り飛び大騒ぎ。チ◎ポを延ばしてびーんと、ギターソロきどり。お母さん達は
クレヨンしんちゃんかよと怒髪天、子供大喜びな。その間、衣服や靴が次々と落下
してくる。
・静寂。物静かに粛々と着衣。矩形の光の中へそれぞれ。おどけた振りでユニゾン
とか。光は中央へ。惑うような動き、ふと白井が醒めて顔となり、一人去る。
・取り残されたキムのソロ。ギターのおだやかなロンド舞曲。つま先立ちを入れながら
、緊迫した動き。ギター伴奏のアリア。黄昏の明かり中を綱渡りに歩く。悶絶。
上手奥隅に白井、アンニュイに壁にもたれ微睡み。
・キム去り、白井ソロ。カウントなリズム音。壊れた人形のような動き。起きあがると
して倒れ、じたばた。下手に移動した白井に頭上からスポット。立ち上がる白井の
頭上、ゆっくりと羽毛が雪のように降ってくる。スポットから外れ、蟹歩き。
また、光の柱の中に立つ。アンバー→黄色の明かり。ミサ曲。大口をあけて、天を
仰ぎ見る、震える。降る羽毛で石灰化の体。
・キム、ぶらぶらと現れ、ソロ。シャツの袖をめくり、気安い格好。モーツアルトの
クラリネット協奏曲。木漏れ日のような明かり。手をぶらぶらとゾンビ振り。無音。
ゆったりと動き。一転、大音響のロック。真っ赤な照明。白井登場。こちゃこちゃ
した手振りと体全体の大胆な振り。ゾンビ目で攻撃的、緊迫と弛緩の繰り返し。
矩形の光が、周囲をコマ送りに走り。光を追う、追いつくと光が後退する。
・周囲を２人走り。床でじたばた、同じポーズあれこれ。白井をおんぶしてキム走り。
途中で白井を落とす。白井、横たわるキムを足蹴。白井の動きをまねるキム（場内
くすくす笑い）。うつ伏せに重なる。キム人形ぶりして死亡。２人お互いを飛び越え
合い。
・中央へ。マーラーの交響曲５アダージョ＋バスドラリズム。立ち上がっては崩れる
２人。照明は黄色、アンバー、赤と変わりながら一面。相手に覆い被さり、立ち、
崩れ。２人並んで体育座りのように。客入れ時のレコードの無音部スクラッチ
ノイズ。起きあがることはできず、仰向けに海老ぞりになって揺れる２人。
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