＠三軒茶屋 シアタートラム(2008/9/26-10/13 24ステージ)
http://setagaya-pt.jp/
全指定 一般6500円 TSSS3250円 友の会会員割引6000円 世田谷区民割引6200円
英語上演（日本語字幕付）
＠ロンドン ソーホーシアター 6/19-7/19 30ステージ
作・演出：野田秀樹 共同脚本：コリン・ティーバン
作調：田中傳左衛門 美術・衣装：キャサリン・チャップマン
照明：クリストフ・ワーグナー 音響：ポール・アンディッティ
演出助手：ラッガ・ダル・ヨハンセン
プロダクション・マネージャー；マット・ノッディング(ロンドン)、山本園子(東京)
舞台監督：ニーナ・スカラー プロデューサー：穂坂知恵子
制作：大迫久美子、菅原力
主催：財団法人せたがや文化財団 企画・制作：世田谷パブリックシアター
後援：世田谷区 協賛：ブルームバーグ 平成20年度文化庁芸術拠点形成事業
出演：
ハリー・ゴストロウ ：源氏、検察官
キャサリン・ハンター：女
野田秀樹 ：精神科医、葵
グリン・プリチャード：署長、頭中将
囃子方 囃子：田中傳左衛門 笛：福原友裕
2008/9/27(土)晴 2:06-3:27PM(1'20) 中段下手 客席ほぼ満員(280人)
客層：大人中心に老若男女、幅広く。女性過半数。
客入れ：当日券不明。補助椅子10弱+バー形式のトラムシート5席ほどあり。
最前B列。字幕が上手下手2箇所、どちらも同じ内容。折り込みチラシそれなり。
パンフ A5? 1枚。配役、スタッフ。物販。パンフ A5 1000円。ロンドン公演写真
がテキストページの間に袋とじ。開演直前にペリペリ開けてる困った人あり。
カーテンコール3回1分。俳優達の素の笑顔がいい感じ。
能と現代劇のコラボシリーズ第四弾。｢THE BEE｣に続く、英国俳優と共同作業による
野田秀樹新作。
舞台。ジャパネスクな襖と下弦の月を配した装置。上手よりに3面と天井が襖戸、
床が黒光するリノリウム、天井に大きな蛍光灯１の部屋。調度はクロに白クッション
の2人掛けソファ、白ペンキがはげた収納箱１、背もたれなしの椅子２。下手端にて
正装の囃子方が劇中・能楽演奏。
お話。不倫相手の家を放火、2人の子供を殺した女性は捕らわれ、精神科医の診断を
受ける。彼女は毎日人格が変わる。それは、恋人と子のため犠牲となった能「海人」
や、源氏を巡る女達・桐壺、夕顔、六条御息所の葛藤を描く古典「源氏物語」の登場
人物で。
とても面白いのに胸苦しくなる問題提示作。魂と救済、正義とはなにかを、寄る辺
なく病み苦しむ罪人の顛末から問いかけて重々。大胆に奔放に演劇してて、楽しさ
千万。虎視眈々、細工はご覧じろとばかり。なんか野田さん、遊眠社な頃に先祖返り
？。
まず、とっても重層。古典な女性達の心理と愛憎の行方を、不倫泥沼地獄にあった
女性と重ねる。その厚さはまさにダイビングな体験、光線の揺らめきのように交錯
する心理の綾が絶妙。見立ての面白さ。なじみの布や椅子に加え、扇が変化・
大活躍。フィジカルシアターを成立させる、役者の機動力。たった4人なのに、
こんなにも多彩。重力無視、緩急自在な動き、芸達者な演技にほよー。
冷徹な批評眼。自己中心、お山の大将なゲス野郎として、源氏を描き、通説に疑問
疑念。殺人を犯した女性のみならぬ、罪を問いかけ。等々、くんでも尽きない、
絶対のない演劇がどうよと投げかけられていて、面白いねこ。やっぱ、野田秀樹の
演劇はみるべきものと思うねこ。
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