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 新国立劇場 鄭義信 三部作 Vol.2「たとえば野に咲く花のように」

 @初台 新国立劇場小劇場 THE PIT(2016/4/6-24 20ステージ)休演4/11、18
 http://www.nntt.jac.go.jp/
 全指定 A席5400円 B席3240円 Z席1620円

 脚本:鄭義信 演出:鈴木裕美 美術:二村周作 照明:原田保 音響:友部秋一
 衣裳:宮本宣子 ヘアメイク:宮内宏明 振付:前田清実 殺陣:諸鍛冶裕太
 演出助手:大澤遊 舞台監督:幸光順平 主催:新国立劇場

 出演:
                    初演    今回
                  2007/10/17-11/4 2016/4/6-24
                    17ステージ  20ステージ
                    中劇場   小劇場
                    S席7350円  A席5400円
                    2時間8分  2時間10分

 安田満喜(エンパイヤダンスホール女給)七瀬なつみ ともさかりえ
 珠代  (ホール女給)        梅沢昌代  池谷のぶえ
 鈴子  (ホール女給)        三鴨絵里子 小飯塚貴世江
 伊東諭吉(ホール支配人)       佐渡稔   大石継太
 安部康雄(ダンスホール白い花支配人) 永島敏行  山口馬木也
 竹内直也(康雄の弟分)        山内圭哉  石田卓也
 四宮あかね(康雄の婚約者)      田畑智子  村川絵梨
 安田淳雨(ジュウン 満喜の弟)    大沢健   黄川田将也
 菅原太一(珠代のなじみ客)      大石継太  猪野学
 李英鉄(淳雨の仲間)        池上リョヲマ 吉井一肇

 2016/4/10(日)曇 1:00-3:12PM(2'10)最前列下手 客席満員(400人)
 客層:中年層中心。女性過半数。
 客入れ:当日券完売。平床に2、ひな壇に13列。折り込みチラシそれなり。
 配役表 ロビー置き。定時開演なので遅刻注意。物販。パンフ B5 800円。
 カーテンコール2回2分。

 ギリシャ悲劇を原作したシリーズの一つとして初演された舞台。中→小劇場と近く
 なるのが嬉しいところ。
 舞台。レトロなダンスホール。正面バーカウンター、上手に緋色のソファセット、
 下手孤を描く階段で2Fベットルーム。左右の窓に色ガラス。出入口は下手で手前に
 電信柱、ゴミ箱、ベンチと鉢植え。
 お話。1951年北九州。斜陽のダンスホール。戦争で恋人を失った満喜の前に、
 新興ダンスホールの経営者 康雄が現れる。生き残ったことに後ろめたさを抱く康雄
 は満喜の目に共鳴、恋に落ちる。が満喜は受け入れない。康雄には婚約者あかねが
 いて、心変わりを憎みながら思いを募らせる。康雄の弟分・直也はそんなあかねに
 横恋慕止まず。そんな人々に朝鮮戦争の闇が忍び入る。

 悲劇的恋愛祭り、非日常な男女のすったもんだ物語が前面。ギリシャ悲劇ベースが
 頷ける濃厚な愛憎混交。一方、朝鮮戦争の影で犠牲になる現実、日本の戦争関与、
 在日韓国人の葛藤らのしかかる背景があり。悲恋にひた走る男女と、犠牲になる
 庶民、物語世界と現実の乖離にうーみねこ。どちらも感じ入るところ多々なのだ
 けれど、悪戯に沈ませないさじ加減は見事なのだけど。それも今につながる日本と
 いうことなのかしらん。役者一新。持ち前の個性、達者な演技で再演を新鮮なものと
 してくれ。

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