＠渋谷 シアターコクーン(2022/02/01-26 30ステージ)
全指定 1等席13500円 2等席8000円 3等席4000円
原作：河竹黙阿弥「五十三次天日坊」
演出・美術：串田和美 脚本：宮藤官九郎[大人計画] 照明：齋藤茂男
音楽：Dr.kyOn、平田直樹 音響：武田安記 技術監督：横沢紅太郎
演出助手：長町多寿子 狂言作者：竹柴潤一 舞台監督：小笠原幹夫
出演：
勘九郎：法策 後に 天日坊
七之助：人丸お六
獅童 ：地雷太郎
萬次郎：猫間光義
亀蔵 ：観音院／赤星大八
虎之介：北條時貞
鶴松 ：傾城高窓太夫
小松和重：越前の平蔵
笹野高史：お三婆／鳴澤隼人
扇雀 ：久助
ほか
2022/02/14(月)晴 6:43-8:43PM(68/休18/91)1F中段下手 客席ほぼ満員(740人)
客層：大人中心、女性8割。
客入れ：感染対策。検温、手指消毒。休憩時間女子トイレは長蛇の列。
当日パンフなし。物販。パンフ A4 1800円。？ケース、トートバッグ、手ぬぐい、
Tシャツ、ブロマイドは通販。8:40PM終演、カーテンコール2回後規制退場。
幕末の1854年 河竹黙阿弥原作。2012年初演。
舞台。説明文が入った情景幕ある部屋装置2、松の木らいずれも持ちこみ式。
バンドが客席側左右。花道設営はなし。
お話。江戸時代の徳川将軍家ご落胤騒動「天一坊事件」をモチーフに、鎌倉時代に
舞台を移した原作。源平合戦・戦後処理の中、孤児の法策は魔が差して源頼朝の
落胤の証拠の品を手にいれる。六四州を我がものにと勇むが、ことは簡単に
進まない。諦めかけたところに盗賊、人丸お六、地雷太郎と出会い、思いも掛けない
出生の秘密をも知り、源氏の世を覆そうと鎌倉に向かうが。
奇抜奇想の物語もスッキリと筋を通して、判りやすく楽しめ。現代口語のぶっちゃけ
と、七五調や時代物の格式めく台詞が塩梅よく混在混交。親しみやすく渋くてかっこ
良い。10年前の原作をそのまんまらしく、現代古語が混じるのはご愛敬。
ステージング快調。家劇場がぐんぐん動く、闇落ちする場面はノワールなムードと
音楽、ファンクジャズやブルースが嵌まり、黒い快感を呼び。遠く響くトランペットに
ぞくり。
勘九郎の変化に富んだ、でも余計なことをしない演技が存分に活かされた感。優しい
人、勘九郎・法策を襲う悲劇、闇落ちからの揺れにとても人間味があって、心に沁み。
七之助は艶っぽく色んな顔をみせ、珍しい大立ち回りでの剣捌きの鮮やかさは、
ファン垂涎。いないと淋しい、亀蔵はトリッキーな役柄を喜々として演じてるようで
こちらも嬉しくなり。同様に淋しい、笹野さんは癖強すぎのキャラ芝居と実直侍の
2本立てに役者魂感じさせ。サモアリナンズ・小松さんは持ち味のフランクさと、
見たことのないハードボイルドの二面で楽しませてくれ。二面といえば、歌舞伎役者
のなんでもできる懐の広さと技術に改めて感心するねこ。
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