桃園会第21回公演「かえるでんち」
＠下北沢 ザ・スズナリ(2001/6/2-5 5ステージ)
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
＠伊丹(7/6-8) ＠滋賀(7/14-15)
全自由 前売り2800円 当日3000円 学生2200円(前売当日とも)
作・演出：深津篤史 照明：西岡奈美 音効：大西博樹 舞台美術：池田ともゆき
舞台監督：岡 一代[池田意匠事務所] 作曲：桜木かをり 演奏：小西秀測
宣伝美術：白沢正 イラスト：山田賢一 小道具：むしとりあみ 衣装：福本陽子
制作：桃園会
出演：
亀岡寿行：天地"ケロッグ”祐介（母校の今はガードマン）
江口恵美：柴田香織
紀伊川淳：小左内”ゲーリー”俊一（祐介の友人、同級生）
はたもとようこ：小左内 忍（その妻）
小坂浩之：浜口”マンゲ”光太郎（祐介の友人、同級生）
川井直美：浜口正子（その妻）
藤野節子：佐藤ひとみ（ピンクハウスな、妄想の人）
荒木千童：渡辺直子（いい人）
森川万里：北川由貴（言い出せない人）
谷野智美：神足”メリージェーン”京子（押しまくりの人）
加納亮子：丸岡淳子
木嶋茂雄：滝本 学（昔の男）
2001/6/3(日)夏晴 7:05-8:35PM(1'30) 中段より 客席6割(80人)
客層：20才代後半〜30才代小劇場ファンと、お友達。女性過半数。
客入れ：整列入場時は数十人。荷物預かりあり。背もたれ撤去の全ベンチシート。
座布団二枚重ね。場内誘導常駐。詰め願いはなし。携帯注意の趣向に笑い。
折り込みパンフ。配役、役者から「あのころ」で一言。予定掲載。9-10月に遊劇体
との野外合同公演＠京都。9月「百舌鳥…」＋１企画公演＠大阪。来年3月二人芝居
＠大阪。
舞台。廃校になった中学、いまは生涯学習センター。その元・理科室設定。とって
も木造、リアルな学校雰囲気が素敵。すでに郷愁ねこ。やや前傾した八百屋舞台。
中央実験台２×２列。丸椅子いくつか、蛇口残骸あれど、シンクなし。前面床が
黒板状態。ランプの回路図とか、落書き。正面、中央に両開きロッカー、左右に
引き戸。左手には水槽あり、メダカ飼育中。上手に人体模型とか、ロッカーの上に
所在不明の段ボールとか、それっぽく雑然。下手壁に準備室への入り口あり。
手前頭上に場違いのミラーボール。すっぽり、しっくりとスズナリにはまって
とてもいい感じな美術。
お話。思い出すのは中学時代、妄想もしちゃうよ、あこがれのあの子。今は三十路
の鳴かず飛ばずの男達、せめてもと語りまくり歌いまくり。とりわけ、廃校のガー
ドマンしてるボクはセンチメンタル。元同級、ご近所の若くもない人妻と独身女達
こねる投げるパン教室。しがらみの鬱憤晴らし、悲喜こもごも。なんか得体のしれ
ない風邪！？な危機感もいやーんと漂い。そんな処にかつてのあの子が帰ってきた
という。困惑しつつボクはなにおか期待するけど…。
バタバタと大騒ぎ、賑やかな笑い顔に射す影。人は孤独、世界は絶望。１０代の
もんもんジレンマ、３０才代の置いてきぼり気分を等身大に浮かばせ、しみじみ
ねこ。子犬のように吠えては自己嫌悪の主人公ら男ども。満たされなさに満ちた
女達。弱く痛々しくて、健気で逞しい。愛すべき人をシビアに、でも優しい視点
で描いて好感ねこ。
仕掛けは一筋縄じゃなく、面白いねこ。記憶と現在がシームレスに連なり。唐突
な時空行き交い、とみせて実は役柄のお遊びでした、と自由自在。ロッカーから
過去をみる、な８０年代演劇表現も曖昧として意地悪。ラジカセの遠い音と、
ライブ音の距離感が回想を映していい感じ。「終わってしまった世界」の示唆も
さりげにして、意味深。妙にハモってる歌、気合い入ってるパン造り、とアトラ
クションでメリハリ。あれこれしてて、雑多な感じが楽しいねこ。
役者。いつもながら美人女優、多。江口恵美。非日常な女王様顔をみせて、存在
感強。藤野節子。行方しれずの会話キャラで面白し。谷野智美。負けん気に健気
さみせて○。
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