＠大阪なんば 精華小劇場(2007/12/12-18 9ステージ)
http://www.seikatheatre.net/
全自由 一般 前売2800円 当日3000円 学生 前売2000円 当日2200円
ペア券5000円(劇団前売･予約のみ）
18日楽日 特別料金 一般 前売2300円当日2800円 学生 前売1500円 当日1700円
＠下北沢 ザ・スズナリ 3/28-31
作・演出：深津篤史 舞台美術：池田ともゆき 舞台監督：谷本誠（CQ）
音響効果：大西博樹 照明効果：西岡奈美 宣伝美術：白沢正
主催：精華小劇場活用実行委員会、精華演劇祭実行委員会、大阪市、桃園会
助成：財団法人地域創造 平成１９年度文化庁芸術創造活動重点支援事業
出演：
紀伊川淳 ：木元敏弘（かけだしの作家）
寺本多得子 ：奈津（木元の恋人）
亀岡寿行 ：浜口（木元の友人）
はたもとようこ ：小春（木元の行きつけのスナック渚のママ）、酔客
アマノテンガイ ：大城敏弥（木元の父）、犬じゃない方のジョン [少年王者舘]
生田朗子 ：大城和子（敏弥の内縁の妻）、犬じゃない方のシロ、川辺の女
[リリパットアーミーⅡ]
樋上真郁 ：大城一樹（敏弥の子）、酔客
川井直美 ：高田春奈（一樹の子供）、酔客
橋本健司 ：犬の方のジョン
森川万里 ：犬の方のシロ
小坂浩之 ：田辺（ミナミの街の警備員）、酔客
長谷川一馬 ：スカジャンを着た男（アメリカ人になりたい）、酔客
2007/12/16(日)曇 7:06-8:35PM(1'29)中段中央 客席ほぼ満員(100人)
客層：20-30歳代中心に幅広く、男女半々。
客入れ：整理番号順入場、開場時で30人ほど。雛壇7列＋千鳥配置で見やすい客席。
前の方が見やすいこと、暖房を切るので防寒のおねがいあり（でも大丈夫)
折り込みチラシそれなり。折り込みパンフB5 6ページ 挨拶、一言付き写真付き
配役、相関図。次回公演。7/31-8/5 佃典彦脚本「お顔」＠大阪ウイングフィールド
物販。台本1000円。Ｔシャツ1500円。今公演のリピータ割引などあり。 カーテン
コール1回。
深津篤史最新作、間をおいて東京公演あり。
舞台。半割の円環、両端に階段のある装置だけのシンプル。路、バーカウンター、
潜って寝床？とか、種々見立てられ。後方、桃園会でよく見かける舞台幅一杯の
銀線。
お話。駆け出しの作家は道頓堀の鏡のような水面に、遠く離れた父を幻視する。その
水底は砂漠の砂、自分の孤独がある。祖母の100日法要の連絡、繋がる電話先は疎遠
の父、そこは沖縄の島。大阪ミナミ、バー「渚」酔いどれとの会話から繋がる南国、
ジェット機の轟音、廃墟となった海洋博会場。半睡に惑いながら歩くミナミのネオン
街、2匹の犬、やかましくて寂しいスカジャン男や警備員。そして、なんでもなくて
素敵な恋人との家路。とっても自伝的な物語とか。
夢のようなリアル、複雑もシンプルに浮かぶ抒情。生きていく切なさ、愛おしさが
ちりばめられ、いつになく素直らしい今回。いつものように時空間をひっきりなしに
行き来し、重層する複雑な構成なのに、そう感じさせる屈託のなさがあり。「夜が
更けて、家が遠くなる」なんて台詞にぐっときて。孤独の切なさと、孤独であるが
故に結びつく暖かさが描かれてて、ほっこりとするねこ。
役者。そんな人がそんな風にしてそこにいる、フィクションのリアルを立ち上げる
役者陣がさすが。客演、父親役アマノテンガイのぼっさりしつつ、利己的な独特の
風情がいい感じ。
アフタートーク 8:44-9:11PM(27) 客席9割
出演：神野三鈴、七瀬なつみ、小坂浩之、深津篤史、丸井重樹(司会)
表現が不正確なこと、抜けが多数あることをお断りします。参考程度でごらんくだ
さい・
丸井 出演者紹介。アフタートークについて。ゲスト2人をよんだ経緯。
深津 新国立劇場で屋上庭園／動員挿話の上演をした。動員の演出をして現在に
いたるとはしょりました。来年の再演のこと。
七瀬 丁度二年前のことでした。
丸井 深津さんの印象など。
七瀬 お稽古の話、いっていいんですか。普通にあるだめ出しをいただくような、
お稽古ではなく、とっても面白い稽古。今日は劇団員の方にどんな稽古をされて
いるか是非聞きたい。
神野 カルチャーショックくらい（口が廻らない。自分がでていない舞台のトークは
初めてで緊張してます）面白く、変わった演出、なんじゃこれと思って、いつのま
にか深津マジックにはまっていて、芝居をするんじゃんなくて、まず感情のヒータ
を奮い起こされたことから始まって。一言も私語は交わさず、稽古後半まで私たち
は何一つ、おはようございますにも挨拶がないくらいの状態で、地道に、面白い
体験をしました。
（七瀬 何をどう伝えたらいいのやら）話し出したら3時間くらい掛かりますの稽古
でした。
深津 新国立は初めてですし、稽古場に入ったとに舞台美術ができあがっていて、
音響とかスタッフさんがどさっといて、出演者よりスタッフさんが多いという
稽古場は初めてだったので、うわーこれはえらいとこきちゃったなと。凄く緊張
してた、萎縮しているとこをみせないように頑張ったけど。
神野 最初に交わした会話がケータリング、お菓子こんなにすごいんですか！
でした。
深津 稽古場にケータリングがあったことがないので、すげえ食べ放題だと。
丸井 劇団に所属されているお客さんも多いと思いますけれども、関西で体験でき
ないようなこともあると思いますけど。作品について感想というか印象はどうで
しょうか。
七瀬 久しぶりにお芝居を拝見しまして、深津さんの芝居は初めてで、すごくいった
りきたり忙しい、そして哀しくなり、でも沢山解らないところがあり、眠っていた
右脳がおきて、わたしすごく寝ていたなと（本当に寝ていたのではなく）脳みそを
こじあけて、久しぶりにいい刺激を。そういう感じでみておりました。
神野 前回東京で拝見させていただいて。その時は稽古の初日の前に拝見したときは
、今のなっちゃん状態だったんですね。今回、稽古で時間を過ごしたあとに深津
さんといろいろ話し合った訳じゃないんですけど、いろんなところで感じるところ
がありまして。題材がわたしの個人的な蓋を次々と、眼球検査をされるように、
みたくなかったものをみられるような、そういう感じで一つ一つみていってしまっ
たという。やられてしまったと。
お会いしたときに、今日の内容はしらなくて、千日前で車を降りたら、わんちゃん
とねこちゃんが道路の真ん中にリアカーの段ボールの中に乗せてあるのを観たとき
にすぐ、あのおじさんは犬と猫を愛してるのですかと深津さんに聞いたら、愛して
いるとそれと暖も取りますと言われて、今日は心おきなくアフタートークにでれる
と言うくらい、シンパシイを感じてしまっていて。
丸井 深津さんに聞いてみたいこととか。
七瀬 としひろさんは深津さんですか。
深津 ほぼそう。自伝的な感じになっちゃてる。今年の夏の前に父に電話しなくちゃ
ならなくなった。そこだけ台本通りなんですけど、おばあさんが亡くなって100日
法要が過ぎたら、生臭い話もしなくちゃいけないねと相続の話になって。おかんが
電話するのいやだから、あんたやれといわれて、内縁の奥さんと子供さんがいる
家庭でなんとかという女がでるからと。夏くらいに電話して、最後にお父さんが
ああというじゃないですか、あれだけ実話なんですよ。酷いでしょ内のおやじ。
20数年ぶりで電話して、劇作家の端くれとしていろいろ考えて電話したら、
がっかりのああだった。これはないわとあまりにも面白すぎたので、自分の反応も
含めて、ネタにしようとこの作品をつくりました。
神野 生命維持装置みたいに、作家でよかったですね(一同笑）
深津 はけ口なくなりますものね。
神野 チャーリーが、ミナミの孤独はうっとうしくていいですね（爆笑）。
七瀬 大阪はこんな不思議な人が川縁にいるのかなと。
深津 そんな沢山はいませんけど、いはることはいはります。
神野 大阪で過ごしてよかったですね、生命維持装置みたいに。すごいな大阪と
思いました。この包容力と猥雑な孤独さはなんなんだろうと思って。
七瀬 ヘビーなお話なんだけど、関西弁で聞くと不思議とね（ヘビーさが減りま
すね）
神野 あんな警備員がいたら、東京の隅田川にもいてほしい。（七瀬 モデルが
いるとか）
深津 チャーリーはモデルがいないんですけど、田部さんはモデルがいます。タク
シーの運転手、タクシーに乗って喋り駆けてくる人で。劇作家ですとかいって
応えていると、食えるのかとか、幾らくらい年収があるのか、トップの劇作家は
年収どれくらいかとか。トップの劇作家って井上ひさしさんだよね、億はあると
思うんですけどね。それはつまらないねえ、トップでそれしかないなんてと、
ＩＴの社長ならもっと稼ぐでしょうといわれて、むかつく運転手だなといい加減
きれて殴ろうかなと思ってたら、ボクねえ、今運転手やってますけど、ボクの父親
がバイオリンを弾いたいたんです、芸術家なんです、息子はたまったもんじゃない
ですよ。で怒りがすっと収まって、しょうがないと。
神野 役者さんはホントリアルでぱっと演出で風景が変わるじゃないですか、千日前
の雑踏になったりバーになったり、すばらしいですよね。エゴがないというか、
すばらしい。
深津 役者が褒められると嬉しいです（照れ笑い）。
七瀬 お稽古風景を是非聞いてみたい。神野 そこ(客席）に田部さんがいらっしゃ
る。田部さん、年収どれくらいですか（笑）。田部役こと小坂浩之を舞台によぶ。
神野 私たち稽古中に怪しい手紙を渡されたんです、全然内容と関係ないのに台詞は
台本のままで、2人で向き合って芝居しているシーンで、手紙を読んでからやって
くださいと言われて。なっちゃんにお前はどうしてとかしゃべって、どんなだめ
出しだろうと思って開けたら、犬が死にそうです なんじゃこりゃと犬が死にそう
犬が死にそうと思いながら。なっちゃんもそわそわして、最後台詞が違うんです
よね。
七瀬 怒られているシチュエーションで、豆が煮えていますという手紙。豆煮てない
し。神野 2枚目の手紙を開けたら 犬が死にました 泣きながら台詞を言って。
なっちゃんは。
七瀬 まだ豆が煮えています いらいらが凄く激しくなってきたんですよね
神野 ぜんぜんわかないですけど、観てる人達はすごくリアルにみえたと笑ってて。
で質問です、そういう手紙をもらったりするんですか。
小坂 ないですね（会場笑い）。七瀬 どうしてですかあ。さぞ変わった演出、
お稽古をするんだろうなと今日いっぱい聞きたかったんです。
深津 外の現場でやるときにけっこうやるんです（垢がついているから？ そうでは
なくて）劇団員だとやってほしいこととか共有できている、若手で入ってくる子は
自分の生徒だったりするので。変な稽古はしない。
小坂 普段は、たまにニュアンスをとばす（よくやります）感情を込めずにやるとか。
言葉にせずにかわった感じで。今回はなかった。
神野 お父さんの声とか聞いている声じゃないですか、それを役者さんに要求するの
は酷いじゃない。どういうふうにうけとめているんですか（深津さん、聞いてない
でしょ人の話 （笑））
深津 こういってくださいとか、ニュアンスとか言わないので、持ってきてもらった
ものが違うと思ったときは違うと言うし、持ってきているものが意味合いとして
演技が達していない場合にそうしたいならこうしたらというのは言います。
最終的にはこんな感じでやってほしかったというところにいってくれるので。
神野 なぜ桃園会に入ったんですか。
小坂 深津さんの世界観がいいなと。昔はすごくエロかったんですよ、エロのが
いいなと。(今は不満なの？）不満はなんとなく（会場笑い）
質問コーナー
Ｑ１天野さんの起用理由。
Ａ１深津 天野さんとのつきあいは長い。今回スペシャル公演で客の余りはいらない
桃園会でゲストの役者はびっくりするような人がいいよねと。すごく誰でも知っ
てる感じのできる役者さんを呼ぶか、全く外すかで全く外す方を。つきあい長いの
で不在の父をテーマにした作品をいくつか書いてますけど、それが実在して出て
くるのは今回初めてで悪い言い方をすれば、主人公があったら一番がっかりする
お父さんはああ天野さんだという感じです。神野七瀬 すばらしかったですよね
Ｑ２沖縄のジェット機の話は実話ですか
Ａ２深津 フィクションです。神野 沖縄で小中学時代を過ごした。一個の授業中に
３，４回すごい爆音が聞こえる。了解済みの沈黙で先生は黒板に書く時間につかう
、思い出したのは今でも沖縄の子供達は沈黙の時間を迎えて居るんだなと思って。
深津 （大学にヘリコプターが墜落した事件を思い出したが）そういうのも
モチーフとして入ってますけど、実際の事件としてはいっていない。
Ｑ３動員挿話 新国立と兵庫でキャパシティが違うが演出の方法は変わりますか。
Ａ３ 深津 前回はピット公演だったので１５０席強、今回は小劇場公演なので
客席は大きくなる。兵庫では客席を潰すので見え方が違うと言うことにはならない
と思います。
告知など。神野 同じ役者がぱっと変わってやります、エロ芝居をやりたいと
思います(笑）
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