＠小竹向原 アトリエ春風舎(2008/5/22-25 5ステージ)
全自由 予約 一般3000円 学生2000円 高校生以下1000円 当日+300円
作、演出：畑澤聖悟
音響：藤平美保子 照明：浅沼昌弘 舞台美術：山下昇平 装置：萱森由介
プロデュース：佐藤誠 ドラマターグ・演出助手：工藤千夏 宣伝美術：木村正幸
制作：渡辺源四郎商店 主催：（有）アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
企画制作：渡辺源四郎商店／（有）アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
平成20年度文化庁芸術拠点形成事業
出演：
ささきまこと ：吉岡真佐彦 (四九 元ローカル芸人）
宮越昭司[劇団雪の会]：吉岡正治 (七九 真佐彦の亡妻の父）
工藤良平 ：平野純平 (二五 近所の酒屋の息子）
畑澤聖悟 ：マンモス兼平(四五 ローカル芸人）
高坂明生（葛西大志）：じょんじょん(三○ マンモスの弟子）
山上由美子 ：じゅんじゅん(二二 マンモスの弟子）
工藤由佳子 ：石川由香里 (三八 真佐彦の見合い相手）
工藤静香 ：小番祥子 (三六 やすらぎ八甲荘職員）
三上晴佳 ：寺沢ひろ (二八 やすらぎ八甲荘職員）
2008/5/25(日)晴 2:05-3:35PM(1'30)中央中段 客席超満員(70人)
客層：中高年3割以上、20才代後半中心の大人客席。男女半々。
客入れ：開場受付、開演30分前。外に待ち列20、整理番号なし。ベンチ2、ひな壇に
椅子5〜6列と目一杯。空席随時誘導、畑澤氏も客入れ。折り込みチラシそれなり。
パンフ B5 3ページ。長い挨拶、配役、丁寧な役者紹介。次回公演。8/16-24
「修学旅行」＠青森 アトリエ・グリーンパーク 10/16-19「どんとゆけ(新作)」
＠こまばアゴラ劇場 物販。上演台本1000円。 カーテンコール1回。
老若男女の涙を誘った人情芝居「ケンちゃんの贈りもの(05年 弘前劇場初演)」を
自身の劇団で改訂再演。主人公の娘婿を元芸人にして、明暗の強度を増した印象。
舞台。廃材のつぎはぎ細工で作られた、小さな台所リビング。四隅がそろわず、でこ
ぼこなるも荒れた感じなく、不器用なとこに愛嬌あり。
お話。青森市郊外。元芸人の中年男は、相方であった妻を亡くしてから義理の父
ショウジと二人暮らし。80歳となるショウジの傘寿（さんじゅ）を祝うため、娘婿は
寿司と銘酒を買い求め、互いの贈り物を交換しあう準備に余念がない。本当の親子
以上に心を通わす2人、互いの気づかいはやがて悲しみを呼んでしまい…。
宮越昭司さん、素敵。堂々と意志強く立ち、しかもなんとも可愛げ。無名の名優、
いや人物に改めて敬愛の念を抱くねこ。似せ家族が直面する介護の問題を取り上げ。
人通しがはぐくむ豊かな暮らし、血縁より確かな人の絆を描き、似せ〜芝居のウソを
も越え、本当の情感が満ちる舞台。
自分を失い続ける病に冒された娘婿、その言い出せない事情が核。察する観客には
周囲の厚情が暖かいほどに悲しく、やるせなく涙を誘う。祝う芸人達や往年のファンの
賑わいと、娘婿がふと零す無念と自虐の暗い笑いの鮮やかな対比ら、心憎い演出にも
やられちゃうねこ。厳しい現実から夢と終わらせないラスト、救いはなくも確かに生きて
いく2人が描かれてて、また涙誘われるねこ。
役者。素敵なじいさんと、達者な娘婿役・ささきまことさんは前述。地に足がついた
力強さを感じさせる役者ぞろい。浮かれる軽さもまっすぐな活気があって○。
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