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 Bunkamura製作 野田秀樹「ヤック トゥア デーン 赤鬼 タイ版」

 @渋谷 シアターコクーン(2004/9/14-22 9ステージ)
 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/
 エリア指定席(1階席ベンチシート)7500円 S席(1階席)7500円
 A席(中2階席)6000円 コクーンシート(2階席)4000円
 タイ語上演・イヤホンガイド(預かり金1000円 使用後返却により実質無料)

 作・演出:野田秀樹
 翻訳:プサディ・ナワウィチット 共同演出:ニミット・ピピットクン
 美術・衣裳:日比野克彦 照明:海藤春樹 選曲・効果:高都幸男
 ビューティ・ディレクター:柘植伊佐夫 演出助手:石丸さち子
 舞台監督:間庭隆治

     初演           再演     3演
     1997/12/29-31      1999/9/18-26 2004/9/14-22
     4ステージ        9ステージ   9ステージ
     シアタートラム      ←      シアターコクーン
     全自由3000円       指定4000円  7500円
     1時間40分        ←      1時間45分
 出演:
 赤鬼 :アンガス・バーネット   野田秀樹    ←
 あの女:ドゥァンジャイ・ヒランスリ
 とんぴ:ナット・ヌアンぺーン
 水銀 :プラディット・プラサートーン
 男/裁き屋:ソムサック・シリバン
 男/起長老/じじい:ソムポップ・ぺンチャン
 男/長老:スントン・ミースリー
 男/赤子の父/見物人/裁き屋:カニソン・ヤンプレムプリ
 ぱばあ/女/見物人/裁き屋:ナルモン・タマプルックサー
 女/見物人/裁き屋:マリカー・タンサゴップ
 女/赤子の母/ぱばあ:ニーラチャー・ファンフーギィェット
 女/見物人:スッチトラー・サックゲオ
 男/見物人:ウィチャーン・ポーンサイ
 男/見物人:ティラワット・ムンウィライ

 2004/9/18(土)晴 7:06-8:55PM(1'45) エリア指定より 客席9割(750人)
 客層:20-30才代中心に幅広く。女性7割。
 客入れ:開演時間も当日券残席あり。センターステージの両脇2列+1,2列88席。前後
 雛壇に9列ずつ、通常ステージ側に空席多め。イヤホンガイド無料(預り金1000円) 
 適度な芝居ッ毛とタイミングの良さで好印象。折り込みパンフなし。物販。パンフは
 3ヴァージョン共通。日本版の追加(余り?)券を販売。S席のみ。ロビー側後方
 から3列目6連番とか。ざっと見て全日ありそう。
 カーテンコール3回4分。とても熱心な拍手に役者も喜色満面。
  
 初演、再演のキャストが一同に会した希有な再演。それだけで感動ねこ。
 
 舞台、衣装。初演再演と一緒。真っ白な四角い舞台、役者は舞台端で鳴り物をもって
 待機。衣装はゆったりと白一色とし、褐色の肌を美しく引き立て。黒髪に赤のメッ
 シュまたは1,2房が彩りアクセント。赤鬼は再演もそうだったかなあ?、なグロ
 テスク。黒地にとりどり色刺繍の編み物ボディスーツ、髪はざんばら、片目は白濁。
 お話。村で阻害されていた「あの女」は、海からやってきた「赤鬼」との交流から、
 絶望の淵から向こうを望むようになるが…。
 
 こんな気持ちのよいカーテンコールはなし。絶望の物語の余韻に涙拭いながら、晴れ
 やかな役者の笑顔をすがしく思うねこ。望みが希有なことを知りながら、人はどうし
 て前に進んでこれたのか。生命力あふれる役者達の舞台にその答えをみたような
 (大げさ)気もしたりするねこ。
 
 一番好きな「赤鬼」。初演から7年。髪が薄くなったり、顔のしわが増えたり(体型
 が変わらないのはすごい)したけど、しなやかで美しい肢体と動きは変わらず。
 ラストの潮が引くように「とんび」「あの女」が離れていくモブシーンは何度みても
 すばらしい。一生ものの美しさなり。簡素な道具とモブら身体表現中心の演出変わ
 らず。白いクッション材が舞い降りるシーンら、日常品を素敵に化かす野田マジック
 は何度みても陶然とするねこ。

 とんび役ナット、あの女役ドゥァンジャイの二人には今回も泣かされ。風が吹いても
 微動だにしなそうな英国俳優と違い、芦のようにしなる逞しさをもつ彼らに愛着を感
 じるねこ。
 

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