ＪＩＳ企画 「月ノ光」
＠下北沢 本多劇場 (2000/4/6-16 14ステージ）＠大阪4/18-20
全指定前売り当日4,500円
作・演出：竹内銃一郎 照明：吉倉栄一 音響：藤田赤目
舞台美術：奥村泰彦[ＭＯＮＯ] 衣裳：加藤寿子 舞台監督：青木義博
演出助手：江平朝子 マジック指導：HIRO 製作：有限会社森崎事務所
株式会社東京乾電池オフィス 制作：大矢亜由美
出演ほか：
初演（ねこ未見） 今回再演
1995-2
Ｋ（カール） ：佐野史郎 ← [元状況劇場]
兄（グラックス）：小日向文世 岡本健一
妹（グレーテ） ：広岡由里子 藤谷美紀
愛人（レイン） ：中村久美 石川真希 [元状況劇場]
夫（ヨーゼフ） ：谷川昭一郎 小日向文世 [元自由劇場]
刑事（ブルームファルト）：木場勝已 松本 修 [ＭＯＤＥ]
手品師の助手 ：？ 山地健仁
美術：島次朗 奥村泰彦[ＭＯＮＯ]
2000/4/16(土)雨 2:05-4:05PM(2'00) 中段より 客席８割（300人)
客層：大人客席。庶民派。男女半々。
客入れ：当日券。後方中心に30席ほど。場内誘導なし。注意アナウンスは藤谷
さん。上演時間約１時間５９分、約って、秒単位管理なの？。物販。戯曲本ほか
いろいろ。パンフ(A4 700円）。初演の劇評とか満載。役者の座談会収録。演出
と役者の濃い話しあれこれ。
佐野史郎と竹内銃一郎のユニット、旗揚げ（1995-2）作。配役、装置、演出を
変えての再演とか。
舞台。ファンタジーにでてくる、またエッシャーの騙し絵のような部屋。砂色の
石造り。天井を透かして２Ｆの入口階段、窓なしアーチ状開口を見せ、アパート
であることを伺わせ。下手の昇り階段が上方で裏返ったりの不思議。
部屋。下手小階段を上がり、入口木製ドア。頭上、目のような透かし窓。下手、
雀卓のようなテーブルと椅子。スタンド。中央ソファ。上手奧に台所へのドア、
その手前に箪笥、上に鳥かご。
お話。1910年代プラハ設定。猟奇殺人が横行している街。舞台となるアパートでは
いくつかの三角関係、叶わない恋、自失とか、どろどろとあり。夫ヨーゼフのもと
を逃げてきたレイン、彼女が頼りのカールの三角関係。年甲斐ない恋を女優志願の
若い娘・グレーテにする、刑事ブルームファルト、妹と関係がある？兄グラックス
の三角関係。そして、カールとグラックスの結びつき。らに脈略なき不連続殺人の
謎解きが絡まり、虚実ないまぜに日常は歪んでいく。
きっちりつくって壊す、カタストロフィーな快感。なにかと演劇好きの琴線をくすぐる
ひねくれ具合○。ドロドロの人間関係をリアルに絡ませ、造り込み。でも、
どこか上の空で感情移入を許さない、いけず演出。散々引っ張っておいて、
お客置いてきぼり。ねじれる空間・混同する部屋、ありえざる衝動殺人、実は死ん
でいたんです自分・告白とか。これは、演劇の名のもとのＳＭプレイかしらん。
なんにせよ、なんであれ、浮かんでくるのは孤独。殺意や憎しみで初めて向き
あえる、荒野での対人関係。事柄だけで進めつつ、内実深く、伺わせてすごいね。
とシニカルなれど、見た目はスラップスティックな装い。とりわけ、小日向さんが
悪のりサービス。上滑り演技には場内爆笑。松本おじさん、石川姉さんまで、
そんなずっこけ突発させ。ウィットに富んだ長台詞にそぐわぬ、そんな演技の
へんてこさにくすくす笑いねこ。初演は、写真や劇評みるかぎり、もっとダークで
シリアスそう。解放された再演なのかな。
役者。男優は狂言廻し風、なんか物の哀れを感じたりねこ。小日向さん。前記。
ひょうきんな中も、野郎の醜い部分をしっかりだして○。松本さん。演技は初めて
みる？、中年恋のいたたまれない姿に同情。岡本さん。ニヒルにストイックに、
きりりと締めて○。美青年だし。藤谷さん。すゞやかな声○。佐野さん。なんか
唐さんの演技彷彿。子供じみた無邪気さと途方にくれ具合が○。
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