青年団〈若手公演 Bプロ〉 「Ｓ高原から」
＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場 (1999/8/11-16 7ステージ) 全自由前売り当日とも1500
作・演出：平田オリザ 美術：杉山至、播間愛子 装置写真：橋口譲二
照明：岩城保＋ＺＥＳＴ、西本彩 制作：松尾洋一郎
出演：
Ａプロ Ｂプロ 参考'94本公演
西岡 隆・・・・入院患者・絵描き 村木 宏太郎＊古屋 隆太 足立 誠
上野 雅美・・・面会人 月村 丹生 吉村 明恵 山本 崇子
前島 明子・・・入院患者・絵のモデル 福士 史麻 安田 まり子 和田 江理子
村井 康則・・・半年の入院患者 成川 知也＊ 奥田 洋平＊ 山内 健司
大竹 良子・・・面会人 川隅 奈保子 斎藤 和華子＊ 志摩 真実
佐々木 久恵・・大竹良子の友達 岩田 奈保子 渡辺 香奈 安部 聡子
福島 和夫・・・４年目の入院患者 大竹 直 ← 増井 太郎
鈴木 春夫・・・面会人 伊藤 季久男 ← 田中 ひろし
藤原 友子・・・面会人 兵藤 公美 申 瑞季 原田 雅代
坂口 徹子・・・面会人 端田 新菜 程山 麻里子 山田 秀香
吉沢 貴美子・・入院患者・妹 奈倉 和未 望月 志津子 広瀬 由美子
吉沢 茂樹・・・貴美子の兄 島田 曜蔵 ← 大塚 秀記
本間 一朗・・・新しい入院患者 中井 英紀 ← 永井 秀樹 松本 信子・・・医師 藤原 桜子＊ 能島 靖穂 志賀 廣太郎
藤沢 知美・・・看護人 織田 陶子 高橋 縁 松田 弘子
川上 俊二・・・看護人 藤木 卓 ← 大木 透 ＊村木宏太郎：元MOTHER、成川知也：元悪運ダイヤ、藤原桜子：元遊劇体
奥田洋平：元KAKUTA、斎藤和華子：「月の岬」、リリパットアーミーほか
1999/8/11(水)晴・猛暑 8:00-9:25PM(1'25) 中段より 客席超満員(100？人)
客層：20-30才台中心に幅広く。男女半々。
客入れ：広くなったロビー、演劇関係の本が多数あり、暇つぶしには○。開場開演
15分前。階段に整列、順次入場。階段の番号掲示が親切。荷物預かりは積極的。
場内は前方ベンチ2列＋背もたれ椅子でびっしり。前後が狭いので、荷物は預けた
ほうが無難。２Ｆには客入れしなかった模様。折込パンフあり、物販のはなし。
脚本、著作本、ポストカードなど物販。途中、クーラーを止めるとこあれど、思った
より暑くならず、助かりねこ。
９４年本公演以来、若手２キャストでの再演。さまざまな劇団出身者がいたりする
若手公演なり。
舞台。高原のサナトリウム、ロビー。正面奥。下手半分は円弧を描く白光自照式の
壁。上方、白い梁が天井付近でクロス。自照壁の隣。上手に路地裏木立な大判モノ
クロ写真。飛んで、下手壁際に階段な開口、真白の壁に赤い手すり。対面上手壁は
ひだカーテン状。中央。ガラステーブル１を囲んで赤いシンプルなソファ４。白色光に
色あせてみえる観葉植物が６つ点在。コンビニのような白色灯りの空間。その
イメージは、死のように穏やか、安らか。唯一、赤色が生き物の在りかを示してる
かのようで異質。
お話。近未来、高原にある私設療養所。伝染性はないが、死に至る病がため、入院
している人達。一様に若く、およそ病人にはみえない。不安の内も穏やかに過ごす
人達のもと「下」から訪ねてくる友人、恋人達。近く出会いながらも、共になぜか
距離を感じてしまう。生きている時間がまるで違うかのように・・。終わることが
ないかのような昼下がりの一時を長廻し映画のように暗転無し、リアルタイムで
描いていく。
なんかホニャランしてる今時の子達印象。前回が丸ペンとすると、ボールペンのタ
ッチ。ぽわんとした会話口調、キッチリきちきちしない仕草。様式してないまったくの
日常が、死の不条理を反って浮き立たせる感じ。医師役がおじさんから若い女性に
なっての印象違いってのもあるかも。登場人物の関係、構図、隠されたエピソードが
青年団にしてはくっきり、赤裸々。ふーんと再認識ねこ。離反する絵描きカップル、
融合する遊び好きカップルとか。新作「海より・・」のドラマしてるとこと通じるよう。
演技は細かい。場の雰囲気や関係まで醸すほどに。とても若手公演とは思えない
高水準。絵描き役の古屋さん。ちと古風な面立ちと声。ＡＴＧとかで青春の蹉跌して
そうな感じ○。風立ちぬ兄妹役な望月さん、島田さん。かつてない大小関係でイン
パクト大。看護婦の役、高橋さん。ほにゃにゃーとして、なんか面白い。絵描きの
元婚約者役、吉村さん。うーんミステリアス。どの役かなと期待の渡辺さん。もちろん
暴れる訳じゃないんだけど、しっとり目な今回。でも、心苦しげにしながら破顔一笑
するアンビバレンスな表情が◎。
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